もう一度基本から見なおそう!ソーシャルリクルーティング時代のコミュニケーションについて

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筆者:かるび
1975年生まれ、東京都在住。前職は都内システム開発企業にて人事・採用を主に担当。 40歳を機に、17年間のサラリーマン生活を一旦休止し、期間限定の自主的なサバティカル生活へ突入。 現在は主宰ブログ「あいむあらいぶ」にて日々の雑記を 
更新中。
ブログ:あいむあらいぶ
twitter:@karub_imalive

はじめまして。かるびと申します。前職では、東京のシステム開発会社で採用担当をしていました。

さて、いきなりですが、皆さまの会社では、ソーシャルメディアを使った採用活動、ソーシャルリクルーティングは活用できていますでしょうか?

採用活動にソーシャルメディアを活用しよう!と言われ始めてから、かれこれ5年くらい経ちます。特に注目されていた2012年~2013年にかけては、「ソー活」なんて言葉もバズワードとして流行った時期もありました。

しかし、今でも上手く活用できている企業は多くはないのではないでしょうか。思っているよりも、使いこなすのが難しいため、そうなってしまうのも仕方がないことかもしれません。

今回はそんなソーシャルリクルーティングをうまく活用する方法について、自分の採用担当者時代の経験を踏まえて書いてみたいと思います。

簡単そうで課題だらけのソーシャルリクルーティング


なぜ、ソーシャルリクルーティングが難しいのか。それは、一言で言うと、既存の伝統的でフォーマルな採用プロセスでの考え方が、そのまま通用しないからです。

その難しさのポイントは、ざっと挙げると次のようなものがあります。

・ソーシャルメディアを採用プロセスのどこまで位置づけるか
・活用する場合、戦略をどう立てるか。既存の採用媒体とどう整理し、どう融合させていくか。
・ソーシャルメディアでは、求職者とどう向かい合ったらいいのか。
・社内のキーマンや協力者の理解をどう得ていくのか。
・コンテンツの作成・更新のためのリソースをどう確保するか。
・社内で求められる費用対効果の効果測定をどのように行うか。

ちょっと挙げただけでも、すぐに答えが出ないようなものばかりです。

悩みは多岐に渡りますが、本記事では、ソーシャルリクルーティングでの最も基本的なポイントとなる「人事担当は求職者と、SNS上でどうコミュニケーションを取ればいいのか?」に絞って、考えていきます。

ソーシャルリクルーティングでの求職者とのコミュニケーションの取り方

では、僕が特に大事だと考えている3つのポイントに絞って説明します。1つめは、コミュニケーションを活発化させるための前提となる企業のアウトプットについて。2つめは、直接対話する際のコミュニケーションのあり方について、3つめは、コミュニケーションの頻度についてです。1つずつ説明していきますね。

1. 一定の更新頻度を死守する


ソーシャルメディア上で、求職者との一定量のコミュニケーションを生み出し、円滑にするためには、企業の採用担当者自身が、その場に積極的に参加し、コミュニケーションの「場」に溶け込んでいる必要があります。

そのためには、各SNSの特性に沿った、必要十分な発信量が不可欠です。そこが、SNSのキツイところなんですよね。ソーシャルリクルーティングが上手くいっていない会社の大半は、この段階でストップしています。

アカウントを開設しただけで放置していては、空気と同じで、誰からも相手にされません。各SNSの適切な更新頻度を保てていない企業アカウントは、本当に腐るほどあるんです。

例えば、ソーシャルメディア別での適切な更新頻度を挙げていくと、

Facebook・・・週に2~3回は写真つきのエントリを入れる。
LINE公式・・・1日1回、時間を決めて定期的な配信をする。内容は自由。
Twitter・・・1日に数回、カジュアルな内容でいいので定期的につぶやく。

最低限、これくらいは欲しいです。

実際に僕が以前所属していた会社でも、Facebookは稼働していたのですが、Twitterとブログほぼ更新がない状態。3か月に1回更新とかざらでした。そうなると、もう誰も見てないんですよね。ソーシャルメディアでの求職者との出会いなんて皆無でした。

その後、Twitterは諦め、Facebookとブログに力を入れ始め、更新を増やしていきました。すると、そこから直接の応募はなかったものの、現在進行中の中途・新卒採用において、「ブログ見てます!」「Facebookにいいね!しました」といった好意的なフィードバックがすぐに寄せられるようになり、効果が見え始めました。明らかに、既存媒体を経由した採用プロセスにプラスの効果が見られるようになったのです。

このように、コンテンツを更新し続ければ、次第に効果が出てきます。まずはとにかく更新を心がけてみましょう。

2. コミュニケーションはカジュアルに。SNSの雰囲気に合わせる


さて、いよいよソーシャルメディアでの発信が順調に進むと、興味を持ってくれた求職者とのコンタクトが始まります。その際に、一番悩むのが、「どんな文体でメッセージを打てばいいんだろう?」という悩みです。

通常のフォーマルな採用プロセスにおいて、文書やメールのやり取りを求職者と行う際は、ビジネスマナーにのっとって行うのが基本となっていますよね。面接や、書類選考でのそういった立ち振るまいや段取りは、採用面接以外で把握できる非常に大事な「非言語コミュニケーション」として、暗黙の内に選考時の評価材料にもなるからです。

これが、SNS上では全く通用しません。

SNS上でのやり取りは、特に個別のメッセージ交換に至る前の段階、つまり、皆から見えるタイムライン上で話をする際は、カジュアルな文体を心がけましょう。「!」や「?」や、控えめな顔文字なら使ってもいいと思います。

なぜなら、ソーシャルメディアの本来的な目的は、カジュアルな友人同士のコミュニケーションを取ることであり、タイムラインでは、「共感」を軸にやり取りが進んでいくからです。採用情報だけを一方的に垂れ流す、人材ビジネスを行う場ではないのです。

みんながカジュアルに話をしている中に、企業がビジネス的な文脈100%丸出しで、お固いやり取りを始めてしまうと、浮いてしまい、全くの逆効果になってしまいます。

実際、数年前に、某大手運輸会社が始めた公式ツイッターアカウントでは、開設当初、なんとかお客様のクレームに個別に対応しようとしたあまり、ツイートが丁寧な謝罪文で埋め尽くされていたのを見たことがあります。これは広報になっておらず、企業イメージが低下するだけで完全に逆効果でした。

それを見た求職者も、「一体何のためにアカウントを開いているんだろう」「ここはやばいのかな、応募するのはちょっとやめとこうか」と感じたことは想像に難くありません。

でも、カジュアルなやりとりも、やり過ぎはNGです。

例えば、Twitterだとこんな感じ。

✕「本日の採用説明会は、東京都気象台より12時00分に発令された大雨洪水警報により、弊社コンプライアンス規定に沿って、中止といたしました。本エントリを見た求職者の方は、お手数ですが弊社までメールまたは電話にてご連絡をお願い致します。」
→これは固すぎます。間違いではないですが、Twitterを使う意味がない。

✕「朝起きたら台風で大雨降ってて会社行けなくなったンゴ、説明会人少な杉でマジワロスwwwww」
→これでは、カジュアルを通り越して会社の品性が疑われます。やりすぎです。

◯「今日は台風が来てて電車が止まってるところもあるみたいです!説明会参加予定のみなさん、くれぐれもムリはされないでくださいね。今日の説明会の振替を急遽◯月◯日に設定しましたので、こちらも是非検討してくださいね。」
→これくらいならいいかと思います。Twitterのカジュアルな雰囲気に合わせ、求職者の気持ちへ寄り添うツイートですね。

要するに、各SNSの雰囲気と調和したコミュニケーションスタイルを目指そう、ということです。

また、どこまでカジュアルにしていいか、その度合いや基準がわからない、という人に是非おすすめの方法があります。それは、普段、あなたが同僚と会社で仕事の話をする時と同程度にくだけた感じにすればいい、ということです。

会社によって違うと思いますが、社内での業務中の口語的なコミュニケーションレベルを意識して求職者とやりとりをしておけば、実際に採用面接が終わって、その求職者が入社した際にも違和感を抱かれることがありません。

3. レスポンスの速度を上げる


これは、通常の採用活動でも同じことが言えますが、例えば、求職者から履歴書一式を受領したら、メールなり電話なりで受領した当日や翌日に連絡をしますよね。
早いレスポンスを心がけることが、求職者の心をつかむためには必須だからです。

これと全く同じことで、SNS上、例えばTwitterやFacebook、LINE等でコンタクトを受けた時も、基本は即レスをしましょう。その際は、通常のビジネスよりも頻度を上げる必要があります。最低でも、朝と夕方の2回は確認したいです。

なぜなら、TwitterにしてもFacebookにしても、普段から慣れ親しんでいるユーザーは1日数回タイムラインをチェックするし、発信もするからです。頻度が開いてしまうと、既読スルーされている感覚を求職者に与えてしまい、マイナスです。

いろいろなタスクを抱える中、ソーシャルメディアに時間を割くのは大変だとは思います。でも、ソーシャルリクルーティングを成功させようと思ったら、ここは妥協できないポイントです。

まずはSNSコミュニケーションの基本から抑えよう

「郷に入っては郷に従え」ということわざにある通り、ソーシャルメディア上におけるコミュニケーションのあり方は、そのメディアの特性に沿った、逆らわない自然な在り方を目指すべきです。それは、更新頻度、文体、それからレスポンスの速さなど、あらゆる面から対応していくことが理想です。

ソーシャルリクルーティングと言えば、一見、無料でお手軽なイメージがあります。しかし、実際に成果を出そうと思ったら、各媒体への深い理解と、一定の工数投入が不可欠となってくるのです。意外と手強いのですよね。

それでも、ソーシャルリクルーティングは、担当者ベースで小回りが効き、成果が出やすい分野ですので、やりがいは間違いなくあります。まずはコミュニケーションの基本を抑えて、地道にやれることから取り組んでいくことが大切です。

面白い手法であるし、将来は間違いなく採用活動の柱になる採用媒体ですので、今のうちに力をいれて勉強しておきたいですね。

それではまた。

かるび

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