【寄稿】最も簡単で、お金のかからない採用力向上手法とは(ターゲティング編)

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ごあいさつ

株式会社人材研究所代表の曽和と申します。

株式会社人材研究所代表 曽和利光

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一番苦労してお金もかかる採用方法とは

様々な企業が「できるだけ優秀な人材を採用したい」と思い、いろいろと工夫をしながら採用活動をおこなっていることと思います。その中で、多くの採用担当者がはまってしまう落とし穴があります。それが、ターゲティングのミス(は言い過ぎかもしれませんが)です。端的に言えば、多くの企業が狙いたくなるような明らかに(表面的に)ピカピカのスペックの層をターゲットとして、採用活動を行ってしまうこと、言い換えれば「レッドオーシャン(競争の激しい「血の海」)」で戦ってしまうことです。

こんな属性に企業は集中する

新卒で言えば、いわゆる「上位校(一定以上の偏差値の高い学校群)」「体育会」「理系院生」「IT人材」「首都圏等の都市圏」「法・経済・工学部」などは、多くの企業の採用担当者が狙う「レッドオーシャン」です。

これらの属性をメインターゲットとすれば、競合が激しいゆえに、採用活動にはお金も手間もかかる上。結局ライバルが強いため、辞退をされる率も高い。まさに「茨の道」です。もちろん、「頂点を狙うのだ」と覚悟を決めてこの領域でガツガツ採用活動をすることは、それは素晴らしいと思います。しかし、現実的にかけられるリソースに限界があり、中途半端にしか労力を割けないのであれば、なかなか厳しいターゲティングだと言わざるをえません。

ただ、属性で採用するわけではない

この現象は、上記の属性が「集団として」は自社にとって優秀な人材が存在する確率が高いために生じることです。事業活動と同様、採用においても効率性を重んじる民間企業であれば、当たり前の行動とも言えます。これはいわゆる「学歴差別」のような「属性差別」では決してありません。

人事の方で「東大生を採りたい」みたいなことを言う人は少なく、むしろ組織の変化対応力を高めるために、できるだけ多様な人材を採用したいため、属性においてもできるだけ様々な学校等から採りたいという声の方が大勢です。「東大生」ではなく、優秀な人を採りたい。当たり前ですが、それが本音でしょう。

ブルーオーシャンを狙ってはどうか

そうであれば、話は早い、と私は思います。競争の激しくない「ブルーオーシャン」を採用においてターゲティングすればよいのです。

「上位校以外の優秀層」「文化系」「文系院生」「非IT人材」「地方学生(特に大票田の関西圏)」「文・教育・理・農学部」「海外大生」「既卒」「外国人」等は、企業はWEB-DMやリクルーターの対象などとして、相対的に優先順位を下げることが多い属性です。彼らは相対的に企業からのアプローチが少ない層のため、一つ一つの企業からのアプローチのプレゼンスが高い。昔話になりますが、教育学部出身の私や同級生には法・経済の同級生よりも、明らかに企業からのアプローチは少なかったことを覚えています。そのため、自分に声をかけてくれる企業とはじっくりと向き合っていこうとします。結果、マッチングする確率も増えるというわけです。

決して「レベルを落とす」わけではない

こういうことを述べるとすぐ「高いところを目指すのをやめるということか」と思われるのですが、そういうことではありません。そう思う方は、本当に「ブルーオーシャン属性の人は優秀ではない」と思っているのでしょう。しかし、百歩譲ってそうだとしても、結局採用するのは集団ではなく個人です。どの属性に所属していようが、その個人が優秀であれば採用する。そうでなければしない。

であれば、ブルーオーシャン層にターゲティングしても採用レベルを落とすことになるということには当たりません。むしろ、レッドオーシャンでの採用の方が、属性だけはピカピカで、中身は実はそれほどでもないような人を採用することにもなりかねない(内も外もすごい人は強い採用競合に採られてしまうことが多いため必然的に)ため、レベル感を担保できるか不安です。

ブルーオーシャン採用はWIN-WINの採用

以前、私が所属していた会社では、明確に意識して積極的にブルーオーシャンを狙っていました。そのせいか、例えば、文・教育・理・農学部出身者がとても多かったですし、関西出身者もたくさんいました。そして、彼らはレッドオーシャンの人材に負けず劣らず十分優秀でした。相対的に優先順位を下げられるという「壁」の中で埋もれそうになっている逸材に光を当てて見出し、企業は優秀な人を採用することができる。

しかも、再度百歩譲って、優秀な人の「存在確率」が低かったとしても、発見できた後の「採用できる確」は高いはずなので、それほど効率の悪いやり方にはなりません。この採用手法は学生側にとっても、企業側にとっても、ひいては社会にとっても有益ですので、是非お勧めしたいと思います。

人材が資産の国なのですから、隠れた逸材をみんなで探しましょう!

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