CRAZY吉田さん

「家族のように共に生きる」のが、究極の新人教育。CRAZY 吉田勇佑氏が語る、スタートアップの新卒活用術(前編)

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「ウエディング業界の革命児」とも言われたcrazy wedding(クレイジーウエディング)は、オリジナルウエディングのプロデュース事業で飛躍的な成長を遂げてきました。その運営を手がける株式会社CRAZYは、全社員で1ヶ月かけて世界一周したり、解散して一斉に別々の企業へインターンに行ったりと、ユニークな取り組みをしていることでも有名です。今年1月には新規事業であるCRAZY KITCHENもスタート。これから様々な事業展開も期待されます。

また、同社はスタートアップながら、新卒採用にも力を入れています。創業2期目から、なんと8名の内定者を出すことに成功したそうです。今回は採用責任者も務めるHR Lab Leaderの吉田勇佑さんに、CRAZYならではの新卒採用の考え方や取り組みについて伺いました。

採用では「知識」よりも「人生観」を重視する

吉田さん1
—まずは、吉田さんとCRAZYとの出会いについて教えてください。

吉田:実は、僕ら夫婦はcrazy weddingで結婚式を挙げたんです。最初にお客さんとして接していた時に、「ただのウエディング会社じゃなくて、このチームは意義のあることをユニークに形にしていて面白いなぁ」と思っていて。それでご縁があってCRAZYに仲間入りしたんですよね。と言っても、先にジョインしたのは妻の方だったんですけど(笑)僕が入ったのはその1年後くらいでした。

—ご夫婦揃ってCRAZYで働いてらっしゃるんですね!どちらも以前からこの業界でお仕事をされていたんですか?

吉田:それが全然。それまでは2人とも、ITと介護とか、ウエディング業界とは全く関係のない仕事をしていました。まあ、CRAZYではそれが普通のことなんですけどね。僕ら含めて、CRAZYはメンバー53人の中でウエディング業界出身者が1人しかいないので(笑)

—たった1人ですか。あえて業界出身者は採用していないのでしょうか?

吉田:「絶対ダメ」とは思っていないんですが、採用で沢山の方にお会いしていると、業界出身者の中には結婚式に対する固定概念が結構ある場合が多いと感じますね。業界や会社のルールから抜け出せないというか。

経験があって、その上でcrazy weddingの世界観が好きというのは嬉しいことですが、そういう方の単に「ウエディングが好き」という想いや憧れだけだと、CRAZYには合わないことが多いかなと…。「こんな人生を歩みたい」という自分なりの人生観がある魅力的な方と一緒に働きたいので、採用する上で業界の知識や経験にはこだわっていません。

—「知識」よりも「人生観」を重視して採用されているということですね。

吉田:知識があっても、一般常識やルールに縛られると成長機会を逃してしまいますよね。例えば「会社に雇われている」も、主体性を持って働くことを邪魔してしまう要因です。

そういう考えではなく、自立して自分がやりたいように色々なものを作り出せる人と一緒にやっていきたいです。そもそも僕らは採用で「一緒に生きたいかどうか」を大切にしているので。だからもう内定の時点で家族や親戚みたいなもの。そのスタンスは当然、新卒の子たちにも求めます。だからこそ、新たな仲間の人生を本気で応援することができると思うんです。

「憧れ」で、良い仕事はできない

吉田さん2
—でも実際は「crazy weddingって素敵!」という憧れから応募する学生はかなり多そうだなと思うのですが、いかがですか?

吉田:正直、それはありますね。あと、企業文化に魅力を感じて来てくださる方も多い。例えば、年末に社員全員で世界一周したとか、全社員が別々の企業でインターンをしたとか、そういう企画ってやっぱりキャッチーなので。「この会社、自由で面白い!」みたいな。

それもすごく嬉しいことなんですけど、「一緒に生きる仲間」として見ると、それだけでは難しいです。憧れで環境を選んでいたら、良い仕事はできないと思うんですよ。その時点で、ある種の「敗北」がそこに存在している気がしていて。

—憧れが「敗北」。それはどういうことですか?

吉田:これは僕も日頃から気をつけていることなのですが、すごい人に出会った時、「自分は追いつけない」と心のどこかで感じていると人は憧れてしまうんです。「この人すごいな、よし、いつか追い越してやろう」という気持ちは、憧れではなく「尊敬」。尊敬は、ポジティブに前を向ける力に変わります。でも「こんな人と一緒にいたい」という憧れが原動力だと、自分が仕事で人を幸せにするのは難しいと僕は思っています。

ただ、それは単にスタンスの問題なので、変わることができるとも思っています。だから採用現場でもこの話をよくしますし、それを率直に伝えても向かって来て下さる方とは、とことん向き合います。

—考え方を変えられるなら、入口は「憧れ」でもいいと。

吉田:単に、そういった考え方を知らない場合もたくさんありますからね。大学の先生も、就職課の方も、企業のOBやOGの方も、なかなかそういうスタンスのことは教えてくれないかもしれません。採用や内定だけが目的の場合、話す必要もないことですから。だからこそ、新卒採用では僕らが考える「本質」を学生の皆さんに真剣に伝えているんです。

スタートアップでも、「新卒」の役割は重要

吉田さん3
—新卒採用はいつから始められたんですか。

吉田:会社がスタートした年からです。もっと言うと、会社を立ち上げる前から、実は当時の新卒1号がいましたね(笑)最初からインターンとして参加していた子が、大学卒業後もそのまま仲間になっています。

—スタートアップで最初から新卒採用をする会社って珍しいですよね。即戦力にならない学生を、なぜ創業期から採用しようと思ったのですか?

吉田:新卒には、中途とはまた違う機能や役割があると思っていて。新卒は社会人経験がない分、あらゆる基準がなくて真っ白な状態じゃないですか。仕事の定義がなく、固定概念もゼロなわけです。だから、これからの時代が求める全く新しい世界を創りたいと思っている僕らにとって、彼らの存在はとても大切なんです。

中途が不要、というわけではありません。本当の意味で幸せな未来を作っていくなら、そこに「多様性」があることが大事だと代表の森山も考えていて。だから創業期からずっと、新卒も中途も平行して採用してきています。

—とはいえ、社員数も少ない状況で、新卒を受け入れるのは大変そうなイメージがありますが…。教育体制はどうなっているのでしょうか。

吉田:昨年4月は、社員数12〜13名のところに新卒8名が入りました。でも、教育体制は…特にありません(笑) というのも、CRAZYでは教育を「一緒に生きていく」ことだと考えているんです。「先生」って字はそう書くじゃないですか。先に生きるって。

一方的に上からものを教えるのでなく、松下村塾の問答のように「共に生き、共に成長しよう」というスタンスなんですよね。その想いは、月に1回全員で合宿したり、年末に全員がインターンに行ったり、といった形にも表れていて。ある意味では教育制度が整っていると言えるのかなと。その代わり「研修するから、じゃあ受けて」みたいなものはありません。年上の兄弟や親戚が下の子たちの面倒を見る、という感じですね。それでも新卒の子たちは素晴らしい成長を見せてくれますよ。これから一緒に創る未来が楽しみで仕方ないですね。

(つづく)

ランチ風景

一緒に働くメンバーは、家族や親戚のような間柄。ランチも手作りの健康食を提供し、皆で囲んで楽しく食べています。




後編では、2015年度の新卒採用の振り返りや、今後の採用について語っていただきます。CRAZYならではの新しいアイデアも飛び出しますので、お楽しみに!

(編集・執筆:サムライト

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