2000のチームを作るために、今はあえて採用をクローズドにする。吉田氏が描く、独創的なCRAZYの人材戦略(後編)

2000のチームを作るために、今はあえて採用をクローズドにする。吉田氏が描く、独創的なCRAZYの人材戦略(後編)

LINEで送る
Pocket

スタートアップながら、創業当初から新卒採用を行ってきた株式会社CRAZY。オリジナルウエディングをプロデュースするcrazy wedding(クレイジーウエディング)の飛躍的な成長の裏には、「他社とは違う」採用にこだわり続けるCRAZYならではの姿勢がありました。

インタビュー後編では、CRAZYで採用の指揮を執る吉田勇佑さんに、まず直近の新卒採用を振り返っていただき、それから今後の採用活動や事業の展望について伺いました。

▼前編はコチラ
「家族のように共に生きる」のが、究極の新人教育。CRAZY 吉田勇佑氏が語る、スタートアップの新卒活用術(前編)

「引きの採用」で、少数の出会いを大切に

CRAZY 吉田勇佑氏2
—今年4月入社の新卒採用は、どんな感じでやっていたのでしょうか。

吉田:自社採用ページに加え、Wantedlyをメインの媒体として使いました。2015年度の採用は結構長々とやっていて、最後の新卒メンバーの入社が決まったのは今年の3月でした(笑)

—入社ギリギリの時期ですね。実は採用に苦戦されていたんですか?

吉田:というより、大学の卒業前って実はかなり良い時期だと思っていて。成長意欲が高い方は、内定後に社内インターン等でアクティブに動いていますよね。そこで真剣に働く中で、「自分の生き方はこれでいいのか」と、良い意味で「人生の壁」にぶつかる方もいるんです。

だから僕らはその方向けに、年末年始からWantedlyに求人を出したり、クローズドにイベントを開いたりして、ギリギリまで接点を持つ活動をしていて。最終的に、追加で素晴らしい仲間を2名採用できました。結果として、この4月には中途を含めて全部で14名がCRAZYにジョインしてくれています。

—1期目は採用ページが2日で3万PVを超えるなど、華々しさが目立った採用活動でしたよね。それはある意味「失敗」だったということでしょうか?

吉田:認知度ゼロだった1期目の戦い方としては、あれでよかったと思うんです。ただ、既存の仕組みの中で「大量の応募者と会う」という従来の採用モデルからは、もう脱したいなと。

2期目はあまり時間もコストもかけずに「引きの採用」をやっていたんですが、3期目はさらに学生との出会い方を変化させていきます。例えば、一般的な合説形式のイベントへの参加も見送る予定です。そのかわり、「自分はこんなことを成し遂げたい」という想いを持ったエッジの効いた就活生とのクローズドな出会いを増やします。その中で「あ、この子は!」と思った方に、熱烈なラブレターを送るんです(笑)

目指すのは「軸」をずらした採用

CRAZY 吉田勇佑氏3
—これまでにない採用のカタチを、模索されているんですね。

吉田:「いかに他と違う価値を提供するか」と、そんなことばっかり考えてますね(笑)他社と同じ土俵に乗ったら、結局その中で戦わないといけないじゃないですか。そうではなくて、CRAZYは「軸」をずらして、全く違う戦い方をしたいんです。

—「軸」をずらす、とは?

吉田:crazy weddingで従来の結婚式とは異なる価値を提供しているように、採用でも「こんなのを待ってた」と言ってもらえるような、新しくかつ本質的なモデルを世の中に提案したいんです。単にそれがカッコイイからとかではなく、同じやり方をしていたら、未来は変わらないから。今の就活の在り方に心の底から満足してる人は、きっと多くはないと思うので。

—具体的に何か「軸をずらす」アイデアはありますか?

吉田:今年は入社が決まった段階で、内定者の皆を正式に社員として迎えようと考えています。別に、大学を辞めてくれって話じゃないですよ(笑)「内定が出た」と言って遊びに走る周りをよそに、責任を持ちながら働いてもらうんです。そのかわり、大学を卒業して4月になったら、CRAZYの新卒は一斉に休みに入るという(笑)

その時は、自分で稼いだお金と会社からの寄付で「世界一周しておいで」と言おうかなと。創業の地であるパタゴニアに、みんなで行けたら最高ですね。これが実現すれば、大学生活の最後の半年間をより濃密に過ごすことができると思います。

—普通の学生なら「社会人になる前に、いかに遊ぶか」って考えそうですもんね。

吉田:「社会人には自由がない」というのは単なる幻想だと思うし、僕らは胸を張って「そんなことはない!」と言える環境を用意しています。というのも、CRAZYには年間の休日を自由にコントロールできる休暇制度があって。だから4月に1ヶ月間休んだとしても、その後も基本的に自由に休みを取れるんですよ。もちろん、大学卒業前にも学校や旅行などで休みたい時は、仕事を休めばいいと思っています。

CRAZYというプラットフォームに、2000個のチームを作りたい

CRAZY 吉田勇佑氏5
—最後に、CRAZYとしての今後の展望について教えてください。

吉田:とにかく「こんな生き方って面白いな」と思ってもらえる環境を拡大していきたいですね。最終的な目標は、一人ひとりが意志を持って、人生の可能性を最大化できるチームを2000個作ること。普通は会社の規模が大きくなると、最後の方に入った人ってあまり面白くないと思うんですよ。だからCRAZYでは、1社あたり100人〜150人ぐらいで、ちょっと大きな親戚ぐらいのチームを沢山作りたいと思っています。

—なるほど。ただ、2000ってなかなか想像がつきにくい数ですが…。

吉田:でも、本気ですよ(笑)松下幸之助さんは1500以上の会社を作っていますから。僕らはCRAZYを1つの豪華客船にはしたくないんです。それよりも、自分たちの手で作ったと実感できる「いかだ」を2000隻作りたい。木を切ったり、紐で結んだりしてゼロからいかだを作るのって、楽しそうじゃないですか。そんな風に、CRAZYをそこで働く仲間たちの「最高の遊び場」にしたいんです。そして最終的に、CRAZYを世界で最も熱狂的なブランドにしたいなと。

今後は教育・介護などで事業展開していきたいと思っていますが、僕らが次に取り組むのはITです。実はもう企画も走っていて。今年の夏ぐらいにリリースしたいなと思っていますので、楽しみにしていてくださいね。

—「軸」をずらしたITサービス、非常に楽しみです!CRAZYは着々と次のステージへと進んでいるんですね。となると、今後はより一層、採用にも力を入れていくことになりますか?

吉田:もちろんです。豪華客船で働く一員になることに憧れるのではなく、いかだをゼロから作る過程を楽しめる人を仲間に迎えたい。そしてゆくゆくは、2000隻のいかだの大船団を作りたいですね。

となると、将来的には当然2000人のリーダーが必要になります。今は、その候補生を探しているという段階。そういう意味でも、CRAZYにとって新卒採用は非常に重要です。だからこそ、今後はクローズドな採用を展開し、僕らの時間とパワーをリーダー候補生との出会いと相互理解のために集中的に使っていきます。

—たしかに、いかだを丸ごと1隻創り上げる人を見つけるには、豪華客船の乗務員を採用するのとは全く違うアプローチになりますよね。そしてその採用手法は、スタートアップの採用成功パターンの1つとなる気がします。本日は貴重なお話、どうもありがとうございました!

(編集・執筆:サムライト

LINEで送る
Pocket