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人事とは経営の質を管理する仕事。Fringe81 COO松島氏が語る「人事マーケッター論」に迫る。(後編)

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デジタル広告テクノロジーのリーディングカンパニーであり、国内初のGoogle認定公式デベロッパーのFringe81株式会社。前編では一貫性のある企業ビジョンをもとにした採用戦略や、社内文化育成ために必要なマインドについて伺いました。
後編では、実際の面接にあたっての質問内容を伺うとともに、同社が考える人事担当者のあり方ついても語っていただきました。

▼前編はこちら
同じ北極星が見られるかどうか、基準はそれだけ。社員の意思にゆだねるFringe81 COO松島氏のブレない人材育成。(前編)

採用基準は、WillとSkillの相互理解。

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—実際に、御社の採用基準はどこに設けているのでしょうか?

松島:基準としては、卓越したパフォーマンスを発揮できるか、ビジネスマンとしての基礎能力があるかなどの軸は当然あると思いますが、結局われわれとして重要視しているのは、弊社のビジョンに対して心から賛同し、行動ができるかどうかですね。つまり求職者の方のWillとSkillをお伺いし、会社のWillとの整合性を評価させていただくということです。

どんなに優秀な方でも、基本的には1ミリでも企業文化との整合性について迷いがあれば採用はしないという方針で取り組んでいます。そもそも文化を醸成する大前提として、採用がマネージメントにおいて最も重要と思っているので、そこはかなり力を入れていますね。

面接の場面では1次面接官が、事業内容をはじめ採用方針やビジョンについても語ります。だからこそというか、そこは求職者側から現場のメンバー(面接官)を評価する相互理解の場としても私は捉えています。最終的にいくら経営陣がいいことを言っていても、現場が自分の言葉で語れなければ意味がありませんので。

マイナスの状況をどうやって打破したのか、これだけは必ず質問します。

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—逆に、企業文化をつくる上での失敗談や、採用の事例でうまくいかなかったことなどはありますか?

松島:人並みですけど、事業成長のスピードに合わせて多くの人材を採用しましたが、カルチャーに合わない方を採用してしまって、ミスマッチが起きたという事は過去にありました。結局、どんなに事業が伸びていて採用計画人数との乖離が出たとしても、そこは絶対に経営陣が手綱を握らなければという思いはあります。

そういった意味で面接でする質問はというと、「これまで自分の経験が通用しなかったときなどのマイナスの状況をどうやって打破しましたか?」ですね。誰にでも失敗はあると思いますが、その後にとった行動が人を評価する上で重要なポイントになると思っているからです。そのとき周りにどう関わったのか、自身の考え方を変えて新たなチャレンジできたか、などが人の成長や未来を創ることにつながると私は信じています。

—そうすると採用をマネジメントする人事担当者の役割が、とても重要になってきますね。では、これから人事関連のポジションに就く人は、どのような素養が求められると思いますか?

松島:そもそも、ヒューマンリソース部門とは「経営の質を管理する」仕事であると思っています。採用・育成をする戦略的な部分と、バックオフィス・労務などの実務的な部分が基盤となるので、人事責任者は経営者との意識共有が必要ですし、経営者が人事に対してどういう意識を持っているかも大事だと思っています。

人事担当者こそ、優秀なマーケッターであれ。

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—つまり、より経営者に近い意識が必要ということでしょうか?

松島:というよりも、経営者を巻き込んでひとつのプロジェクトを創っていく意識の方が近いですね。人事は、必然的に企業における採用・育成・文化形成というプロジェクトを引っ張るリーダーとなりますから。

また、人事には「マーケティング感覚」も必要だと思っています。人事担当こそマーケッターであれ、と弊社の人事責任者には言っているのですが、その背景には採用エージェントなどの外部機関に頼り過ぎると、自社の魅力が伝わりづらくなるという実感があるんですね。なので、弊社ではターゲットである求職者のペルソナを出して、インサイトを深掘りし、採用ページなどのキャッチコピーに実際に落とし込んでABテストもしています。

—それはとてもロジカルな進め方ですね。

さらには、弊社代表にブログを書いてもらうことでも魅力を伝えることにつながりますし、最近ではオウンドメディアの活用もしていく必要があると感じています。最終的に良い採用につなげるためには、求職者との綿密なタッチポイント(接点)の設計とコミュニケーションの一貫性が重要になると考えています。

—人事担当者としてのあるべき姿勢ついて、マーケティング視点でのお話はとても明快でした。ベンチャー企業に限らず、中小〜大手などすべての企業に共通する普遍的なテーマだと思います。本日は貴重なお話をいただきありがとうございました!

(編集・執筆:サムライト
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