奥田健太氏インタビュー

インターン採用のプロ、RettyのCFO 奥田健太が説く「キラリと光る」学生の見分け方(前編)

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今年2月にユーザー数が月間700万人を突破した、実名型グルメサービス『Retty』。その運営を手がけるRetty株式会社は先日、10億円の資金調達に成功したことでも話題になりました。また、年内には海外進出も考えていると言います。

スタートアップながら、見事な急成長を遂げている同社には、実は採用にも大きな特徴があります。それは、インターンの積極活用です。一時期は、社員との比率が1:1にまでなったのだとか。今回は、2013年に三菱商事から転職してCFO(最高財務責任者)に就任し、人事統括としても舵をとっている奥田健太氏に、インターンの活用術について伺いました。

BtoCのサービスでは、インターンも立派な戦力

仕事中の奥田さん
―――そもそも、積極的にインターンを採用しようと思われた理由は何だったのでしょうか?

奥田:最初にインターン採用を始めた頃は、実は私もまだ入社していなかったのですが、やっぱりスタートアップなので、「猫の手も借りたい」という状況だったのかなと思います。当時はまだ会社も小さく、座学で何かを教えてあげられるような環境もなかったので、会社のカルチャーに合って、自走できる子だけに絞って採用したのが始まりだったのではないかと。

―――そこから社員数との比率が1:1になるほど、積極的にインターンの採用を進めたんですよね。元々、そういう人材計画を立てていたのでしょうか。

奥田:少し前までは、社員とインターン生がちょうど20名ずつくらいと、本当に1:1の比率が続いていました。ただ、敢えてインターン生の比率を増やそうとしたわけではなく、割と必要なところに必要な人材を採っていったら今の形になった、という感じです。現在は、社員が35名まで増えたのに対し、インターンは20名くらいでストップしています。アルバイトやフリーランスも入れたら、全体で70名規模の会社になりました。

―――単純に、社員やフリーランスの方々と同じように、インターン生たちも会社にとって必要な人材だったということですね。

奥田:そうですね。RettyはBtoCのサービスで、かつ「食」という非常に身近なトピックを扱っている。仕事上、ユーザー目線を持つことも必要になるので、必ずしも「この業界で10年やりました」という人が良いパフォーマンスを出せるとは限りません。

一方、食に対する熱い思いや新鮮な目があれば、学生でも十分に力を発揮できる業務もあります。そのことにやりながら気づいて、業務拡大に伴いインターン生も増やしていったわけです。当社としてはごく自然な流れでした。

採用基準は変わるもの

Rettyのビジョン
―――現在は、インターン募集自体をやめているんですか?

奥田:選考基準を一段階上げただけで、やめてはいません。今は「質」の部分に徹底してこだわっているんです。

今まではインターンを純粋な「戦力」として考えていた部分も大きかったんですが、今後はもっと「将来的な採用の場」として活用する比重を上げていきたいと考えています。将来的に新卒として入って頂き、かつRettyの中心人物として活躍してくれるような人を選考・育成する場にしたいなと。そういう風にシフトしてきているなので、質の高い学生に絞る分、やはり採用人数は減っています。

―――選考基準を引き上げる前までは、どんな風にインターン生を選考していたんですか?

奥田:選考基準はやりながらどんどん変わってきたんですが、最初は代表の武田が会って、ピンと来た学生を採用していたみたいです。彼はそれを「変人採用」と言うんですけど(笑)

―――面白いですね。もう少し詳しく教えて下さい。

奥田:単に「優秀」とか「やる気がある」とかじゃなくて、ちょっと普通じゃないと言うか、「この子は後々化けるかもしれない」と思う点があれば採用するという方法です。武田曰く、キラリと光るものがあるかどうかが大事なんだと。

―――今まで面接した中で、一番印象に残っている「キラリと光る学生」はどんな人ですか?

奥田:一番インパクトが強かったのは、「僕はもう今世は諦めているので、来世で活躍したいです」みたいな人です(笑)一体どういうことなんだ、と思いましたね。

―――インパクトありますね。その方は即採用ですか?

奥田:もちろん(笑)で、かなり頑張るんですよ、その子が。それなのに、仕事で成果を上げてもなぜか「今世はもういいんです」と。まだまだ若いのに(笑)でもやっぱり、そういう面白い子は何かやってくれるんじゃないかと期待してしまいますね。

「キラリと光る」学生を見分ける3つの方法

奥田さん
―――「キラリと光る」をもっと具体的に言うと、どうなりますか?

奥田:僕は3つあると思っています。1つ目は、プロアクティブさ。要はどれだけ自発的に「仕事をしたい」と前のめりになれるかですね。特にスタートアップの場合、インターン生でも自走できて主体的に動けることが非常に大切だと思います。

2つ目は、スピード感。スタートアップとしてRettyが特に大事にしているのは、PDCAサイクルを回す早さです。「食」ってマーケットはものすごく大きいですし、類似サービスをやっている競合も多いので、スピードを維持しないと勝ち残っていけません。だからインターンであっても、次へ次へとどんどん行動に移す姿勢が大事だと思っています。

3つ目は、ある種の「必然性」を持つストーリー。Rettyのインターンを志望する理由に、何かしらの原体験や、すごい熱量の感情があったりすると「この人はRettyにジョインすることに必然性がある」と思えます。すると我々もストンと腹落ちして、「この人と一緒に働きたい」となるんですよね。

奥田さん
―――ただ実際には、そういう逸材にはなかなか出会えないのでは?

奥田:その通りです。本当に変人採用だけと言うか、キラリと光る人だけを採っていたら、恐らく「採用は数ヶ月に1人」とかになってしまいます。だから、最初から「すごく面白いな」と思う人でなくても、3つのポイントにある程度合致していれば採用していました。

―――3つのポイントを見る以外に、ミスマッチを防ぐコツはありますか?

奥田:正直、インターン採用には中途採用の選考ほど時間をかけられないので、まず採ってみることにしています。中途や新卒採用に比べるとスイッチングコストは低いので、ある程度「可能性がある」と思えば、入ってもらって。どうしても合わなければ、お互いそんなに長くは続かないと思いますし。

―――インターンの選考は、面接1回で終了ですか?

奥田:はい。一人につき30分程度の面談で選考しています。会うのは1日3人くらいです。

―――その30分で、採用の打率を高める方法って何かありますか?

奥田:僕は結構、相手の話に突っ込みます。例えば、「先日◯◯社のインターンに参加し、5日間でビジネスモデルを考えました」みたいなことを言った人に対して、その内容について質問しまくる、とか。これをやると、コミュニケーション能力や思考の瞬発力、粘り強さも見られるのでいいですよ。

(つづく)

※後編では、インターンの教育や活用術について伺います。お楽しみに!

(編集・執筆:サムライト

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