「自分史」を社内公開して社員同士の理解を深める。FiNC CHO岡野氏が徹底する、社内バリューを軸にした組織づくり(前編)

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「一生に一度のかけがえのない人生の成功をサポートする」を企業のビジョンとして掲げ、病気の“予防”の領域でスマートフォンに特化したヘルスケア事業を展開する株式会社FiNC

2012年に設立後、世界的に発生している医療に関する諸問題の解決を目指し、また、日本の健康を世界に広げるべく様々な事業を展開しています。

今回は、創業からわずか4年弱にも関わらず急速に事業規模を拡大しているFiNCの組織づくりのこだわりや、特徴的な社内制度について、取締役CHO(最高人事責任者)岡野求(もとむ)氏に話を伺いました。

企業カルチャーを浸透させるには、まず社内バリューを共有することから

—昨年、代表取締役を3名体制に移行されましたが、それによって会社にはどのような変化があったのでしょうか?

岡野:2つの変化がありました。1つ目は、代表取締役が3人になったことで担うべき責務や、それぞれの役割分担が明確化しました。それにより、これまで以上の業務効率化と各領域へのコミットメントを重視した経営に繋げることができています。

2つ目は、企業カルチャーの強化ですね。これは、バックグラウンドの異なる2人が新たにトップとして加わったこのタイミングだからこそ、さらに必要性が求められています。

そもそも弊社では、企業カルチャーの根底に「FiNC SPIRIT(フィンク・スピリット)」という創業時から提唱している社内バリューがあります。「F=Family Oriented‐絆‐」「I=Integrity‐誠実‐」「N=Non-Defeatist‐不屈‐」「C=Compassionate‐忖度(そんたく)‐」といったように、頭文字一つずつに意味が込められています。

社員同士のコミュニケーションや企業カルチャーを形成する上では、これをさらに社員一人ひとりに浸透させ、会社の理念として体現し、共有できるようにすることが大切だと考えています。

※代表取締役は、代表取締役社長CEO兼COO溝口勇児、代表取締役副社長CAO兼CWO乗松文夫、代表取締役副社長CFO兼CSO小泉泰郎の3人体制で構成されている。

創業当初から提唱している企業理念「FiNC SPIRIT」

—一方で採用の際にも、「FiNC SPIRIT」は基準として置かれているのでしょうか?

岡野:直接的に「FiNC SPIRITを知っていますか?」と質問をしたりはしませんが、会話のやり取りの中でそのバリューの“軸”を持っている人なのかは見ますね。

特に、SPIRITの「I=Intensive‐徹底‐」と「C=Compassionate‐忖度(そんたく)‐」を大事にしていて、相手の立場になって物事を考えることができるか、つまり「思いやり」があるかを重要視しています。この2つのバリューを、面接の会話で見極めるようにしています。

自らのバリューを具現化した「自分史」を制作し、社内公開する制度

—社内バリューということは、それを具体的な社内制度として落とし込んでいたりはするのでしょうか?

岡野:まず、「自分史」を書くという制度があります。これは、全社員行うのですが、自分の生い立ちを5千~1万文字で赤裸々に書いて、社内で誰でも見られるように公開するという制度です。

—面白い制度ですね。自分をさらけ出すという行為が少し恥ずかしい気もしますが、これにはどういった目的があるのでしょうか?

岡野:自分と他人が全く違う人間ということを理解するように努め、お互いが上手くコミュニケーションを取れるようにするためです。

例えば、2人の人間が同じ物や現象を見ても、それぞれ捉え方が違う場合がある。つまり、人は一人ひとり違う判断基準を有していることを前提に考える必要があるんです。それぞれが人生においてどんな経験をして、成功や失敗をしてきたのか。親にどのように育てられてきたのか。その生い立ちが一人ひとりの背景となり、人格や判断基準を形づくるわけですね。

そうしたことを前提にしつつ、お互いが円滑に意思疎通できるように「自分史」を書いてもらうのです。これは、組織づくりにおいて大きなポイントですね。

社内のコミュニケーションを活性化させる「バリューランチ制度」

—なるほど。自分史を通じて互いの人間性を深く知り、良質なコミュニケーションが取れるようになるのですね。では、他にバリューを社内に浸透させるための施策はありますか?

岡野:「FiNC SPIRIT」を徹底するために、昨年から「バリューランチ」という制度を取り入れています。これは、先輩後輩に関係なくランチに行って、「FiNC SPIRIT」に基づいた話を語り合うというものです。ランチ後には、社員全員がメンバー登録しているSNSグループに、「バリューランチ」で学んだことを投稿するというルールもあります。

後輩社員は、「FiNC SPIRIT」について先輩から教わって吸収し、「自分ならどうやって体現していくべきか」「このバリューはそういうことだったのか」という“気付き”を得ることができます。逆に、先輩社員は、具体的な体験談を実際に語ることで自身の行動を振り返り、「あ、この辺のバリューが体現できてなかった」などと反省の機会となることもあります。

—他社の人事担当の方にとっても、バリューを社内に浸透させるのは悩みどころだと思います。それを具現化するうえで、「バリューランチ制度」は画期的ですね。

岡野:それに加えて、2週間に1回「FiNC SPIRIT」についての勉強会を開いて、「今日は“F”について勉強します」というように、2時間ぐらいガッツリ討論する機会を設けています。そうすることでだいぶ腹落ちしますよ。けっこう白熱しますしね(笑)。

—理念やバリューなど概念的な言葉になるほど、インプットするだけではなく、アウトプットをして初めて理解できるということですね。ありがとうございます。後編では、FiNCの人材採用における採用基準や、人事担当者に求める能力について伺いたいと思います。ご期待ください!

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