「大人の学芸会」でビジョンを共有?フローレンス・宮崎真理子氏が語る、スタッフを導く“行動指針”の活用法(後編)

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「働きがいのある会社」を支援する『Great Place To Work(R)』で、4年連続受賞を果たしている「NPO法人フローレンス」。

従業員満足度が高い理由として、「LGBT」のスタッフを受け入れるなど、多様性にも配慮し、働きやすい環境を構築するために就業規則の改善を行っているところにあります。

そんなフローレンスの組織の作りかたは、社会にも大きな反響を呼んでおり、それを期に潜んでいた社会問題に目を向ける企業も多くなってきました。

このような“イノベーション”を起こし続けるフローレンスのインタビュー後編では、ビジョンと行動方針をどのようにしてスタッフに意識付けさせているのか、そんな“仲間”であるスタッフの採用方針とは?事務局長・宮崎真理子さんにお話を伺っていきました。

スタッフの行動方針を会議室名にして社内に浸透させる

—今後の新たな10年に向けて、スタッフの道標となる『フローレンスウェイ』という行動指針があるそうですが、社内のスタッフには具体的にどのようにして浸透させているのでしょうか?

宮崎:浸透策の一つとして、会議室の名称にしています。やっぱりこういうのって、ただ書いて貼ってるだけだと全く意味ないじゃないですか。なので、歯磨きの如く自然に口について出てくるような言葉にしたいということで、スタッフがよく使う会議室名にしたんです。

あと、“ウェイ体操”というのも作って、毎週金曜日にスタッフ全員で踊ってます(笑)

—それは面白いですね(笑)。そういった行動指針に直接触れ合う場面を作っているわけですね?

宮崎:そうですね。例えば、「アイデア相撲を取れ!」や「リスペクトのレンズを着け、世界を見る」といった行動方針があるんですけど、たまに会議でヒートアップして意見がぶつかり合う時、険悪な雰囲気になる場面があるんです。そこで「これアイデア相撲だからね」とか、「リスペクトのレンズをかけようよ」というように、実際に行動指針の言葉を使ってるんです。

昼食中に全スタッフで今後のビジョンをディスカッション

—なるほど。そういった会議のような、スタッフが全員集まる場は定期的につくっているのですか?

宮崎:全社会議を年に2回行っていて、そこで方針を共有しています。あと、お昼の時間を活用してスタッフを集めてディスカッションをしています。スタッフのいろんな意見が飛び交うので、より良いアイディアが出れば、決まっていたこともやり直しになったりとか(笑)そのあたりは柔軟に進めていますね。

—経営陣もスタッフの方も、それぞれお仕事を抱える中、時間を割いて集まるというのは難しい印象があるのですが?

宮崎:そうですね。「でも、なんにせよお昼は食べるんだから時間あるでしょう?」って感じでやってますけど(笑)あと、ビジョンを改定して去年でちょうど10周年だったんです。なので今、次の10年に向けてどうあるべきかという新しいビジョンを創っています。

そこでは、いろんな工夫をしています。例えば、新しく描くビジョンを壁に書くチームと、紙粘土で新しい世界を作り上げるチーム。そして、演劇で表現するチームに分かれて、「大人の学芸会」と言うことで発表会を開催しました(笑)それによって、新たなビジョンを理解するということをやってます。

“攻めの広報活動”で「働き方革命」を起こす

スタッフによって壁に描かれたビションを表す絵

スタッフによって壁に描かれたビションを表す絵

—本当に様々な工夫を凝らしているんですね。話は変わるのですが、客観的に見ていても、いろんなところで「フローレンス」の名前を拝見するのですが、会社の情報発信や広報活動は、かなり注力されているのでしょうか?

宮崎:やっていますね。フローレンスでは『働き方革命ブログ』というブログをやっていまして、組織開発や働き方革命の取り組みを紹介しているんです。何故そういった情報を発信するかと言うと、「私たちのような小さなNPOが出来たんだから、もっとできるはず!」と、そういう動きが加速すれば、日本の働き方問題というのは、少しずつ解決していくのではないか、そういう想いを持って発信しています。

—では、その働き方の情報発信をされてる部署が、広報的な役割を担っているのですか?

宮崎:そうですね。“働き方革命事業部”と言って、中身は人事・経理・総務・法務・システム等、ようは守備的な役割のバックオフィスなんですね。ですが、ここは日本の働き方を変えるというミッションを持っているので、“攻めのチーム”でもあるんです。

大企業のように人手が潤沢なわけではありません。私たちだけでできることは限られています。その中で、まずは自分たちで働き方を変える取り組みをして、それを事例としてどんどん広報活動をすると。そうすると、やり方を真似する企業が出てきて、徐々に働き方が変わってくるんじゃないかと思っています。

採用方針は「考える力」と「行動する力」の両方を持った人材

—まずは自分たちから変わるということですね。非常に参考になります。では、最後になりますが、フローレンスの人事採用において、今後どういった人材を採用していこうと考えていますか?

宮崎:昔から大きく変わることはないのですが、やっぱり“当たり前を疑って”、それから“自分で一歩踏み出せる人”を採用していきます。

—当たり前を疑える人というのは?

宮崎:働き方に対しても、日々の仕事についてもですね。でも疑いだけだと評論家になっちゃうんです(笑)「ここがおかしいんじゃない?」って指摘するだけじゃなくて、その解決のために自分で一歩踏み出していく。“考える力”と“行動する力”って両方必要なので、その2つを求めています。

—それは、設立当初から変わらないんですか?

宮崎:変わらないですね。行動指針の中にも「変革者たれ」という言葉があるんですけど、まさにそれで。「気付き、人を巻き込み、進む」、それが大事なんです。

—疑いの気持ちを心に留めず、行動に移すということですね。『働き方革命』を起こすためには必要な人材ですね。本日は、貴重なお話、本当にありがとうございました!

(編集・執筆:サムライト
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