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その採用ブランディング、自己満足では?ヒトメディア・小山さんが足で稼いで分かった、採用を成功させる地道で本質的な開拓法。

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「昨年5月に社員紹介で入社し、直属の上司である代表の森田との入社時のミーティングで『採用で結果を出す』とコミットしたんですが、入社してから2ヶ月は募集を出しても1件も応募が来なくて・・・。そもそも、採用どころじゃなかったんですよ」

と、笑いながら語る小山さん。小山さんが人事を勤める株式会社ヒトメディアは、六本木にオフィスを構え、「教育」と「異文化」の領域に特化した、インキュベーション事業を主力としています。

いきなり、小山さんはこう言いました。

「『採用ブランディング』という言葉をよく聞くようになりましたが、色々なオフィシャルサイトやソーシャルメディアなどで見かける『採用ブランディング』って、採用ブランディングじゃないものもあると思うんですよね」

ん?どういうことでしょうか。詳しく聞いてみました。

採用ブランディングの目的は、ターゲットの心を動かすこと

採用ブランディングを強く意識するきっかけは、ヒトメディアはエンジニア採用がメインであると言う前提でお話をするんですが、色々なチャネルでお会いしたエンジニアの方や、他社のCTOと関わる中で、『みんなでランチ行きました!!』とか『社内懇親会のレポート』などのどちらかと言うと社内の雰囲気を伝える情報は、それほど重要視していないんだなと、気付いたことがきっかけでした。

結局知りたいのは、「どんな事業なのか」「どんなメンバーがいるチームなのか」や「どんなスペックのPCを使っているか」、「開発に対する考え方」、「どんなワークスタイルなのか」などで、当時の私もその点にはあまり意識していなかったので、精度の高い1次情報として得ることが出来たのは収穫でした。

タイミングとしては昨年末ぐらいから、採用ブランディングのメインの一つとして運用していたWantedlyの『会社フィード』で掲載する情報では、「これはエンジニアにとって刺さりそうな内容か?」ということを意識しています。

ヒトメディアさんの会社フィードの投稿

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もちろん、社内イベントについて書くことはありますが、ただ開催したという報告だけではなく、例えば「どういうことをしたのか」「どんなイベントだったのか」までを具体的に書いて、【中身】まで伝えるように意識しています。ただ情報を出すことが採用ブランディングなのではなく、採用ターゲットに対してニーズのある情報を届けることが大事なのだと思います。もし採用ターゲットが変われば、それに合わせて修正をすれば良いだけです。

そして投稿した後は、多くの人に見てもらえるよう、個人のFacebookでシェアするようにしています。また、ヒトメディアに入社してから多くのエンジニアの方々と交流してきたこともシェアする際には大いにプラスになっています。エンジニアの知り合いにはエンジニアが多いので、ただ「いいね!」を押してもらうよりも効果が高まります。実際にそこから応募したというケースもあります。

求人を応援するときも同様に、誰に伝えたいかが重要なので、エンジニア募集だったらエンジニアの方々にダイレクトメッセージで応援をお願いします。マーケだったらマーケ系ですし営業であれば営業系の方々にお願いしています。どうすれば効果が最大化するかを考えるとこれが最も効率的ではないかと思います。

採用ブランディングは、芽が出なくても諦めず続ける

入社当初は、あまりにも絶望的な状況だったため、やるべきことが何も浮かばず困っていました。Wantedlyを使おうかとも考えたんですが、入ったばかりで事業について深く理解出来ていなかったので、一旦諦めました(笑)。

あまりにも何も出来ていなかったので、社長からも「別にオフィスにいなくてもいいから自由にやっていいよ。採用だけの担当じゃなくて、人事なんだからさ、あらゆる角度からどうすればいいか考えてみれば」って言われて、切羽詰っていたこともあり、「とりあえず外に出て行くか」、ということで、採用へと繋がる新規開拓をはじめましたね。とりあえず『Coffee Meeting』というサービスを使って、地道にエンジニアの方々と会う機会を作っていきました。

それを2ヵ月ぐらい続けて、オフィシャルサイトのリニューアルを終えた8月ぐらいからWantedlyを使いはじめ、同時進行で、会社の事業をキャッチアップしながら会社情報をリライトしたりしていきました。秋ぐらいから、1件、2件と応募が来るようになり、そこから、採用へと繋がり、他媒体ですがエンジニアを数名採用できるようにまでになったんです

ただ、その時点では、他社の選考前にアプローチしていたので採用できたのですが、認知度が上がってくると、応募者の流れが変わり、他の大企業・有名企業からも内定が出ている人も相対的に多くなり、内定辞退のケースが増えるようになりました。

結局、そこから巻き返すまで時間がかかり、5月に入社者が出た以降は、10月まで新しいメンバーにジョインしてもらえなかったんです(10月、11月にWantedly経由で1名ずつ入社)。何せ5連続の内定辞退でしたので本当に落ち込みました。社内でも只事じゃない雰囲気がありましたし。

ただ、そのときにも、発信することを怠らず、地道に採用ブランディングを続けたことが、だんだんと結果に繋がってきました。採用は良いとき時もあれば悪いときもあるわけで、一喜一憂してはいけないことを改めて実感しましたね。

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色々なチャネルでやイベントがきっかけでお会いした方や、ブックマークオプションを活用して過去に興味を持ってくれた方を掘り起こしたり。Wantedlyの会社フィードを1週間~10日のペースで更新して、仕込みをちゃんとしてきたことが、今になって活きています。さらには、社員の採用だけにとどまらず、フリーのエンジニアの方、さらには企業の方とも交流が増え、会社が必要になったリソースに応じて、適宜対応出来る様にもなってくるなど、人に関する事であれば、幅広く対応が出来る様になったのもブランディングを通しての大きな収穫です。

これらを通して分かったことは、採用ブランディングはいきなり効果が出るものではないのだ、ということ。

時間を掛けながら地道に認知度を上げていくことが大事で、昨年秋に当社における外部でも知名度の高いエンジニアの「からあげエンジニア」こと、ささたつ(佐々木達也)を使った募集も出してみましたが、1週間で数千のPVを稼ぎ出したり、企業ランキングで1位になったりなど、話題にはなりましたが、結局打ち上げ花火みたいになってしまって、応募・採用には一切繋がりませんでした。今掲載していればまた効果が違ったのかもしれませんね。

今の掲載している募集ではそこまでの数値は獲得出来ませんが、応募数、採用数の面では効果が出ていることを考えると、より地道にやることの大切さが浮き彫りになりますね。

KPIとして、採用人数はムリして追わなくてもいい

ヒトメディアが採用活動で恵まれているなと感じるところは、業務委託など外部の方を積極的に受け入れている点や、仮に人員が不足していても、良い人が見つからないのであれば妥協せず、数に頼らない点です。

もちろん私自身も採用出来ない状況を放っておいている訳ではなく、不足しているリソースを補うために、社員採用以外の部分にも関わり、パートナー企業への打診の様なオーソドックスなものから、個人的に繋がっているフリーエンジニアの方への打診、時には受託先の企業を提案する事もあるなど、人に関わる点を出来る限りカバーするようにしています。人に関わることは自分が解決する、というようなスタンスです。

もちろん早く採用したい気持ちがないわけではありませんが、現状のヒトメディアを考えると今のスタイルが良いと思いますし、それに掛かるコスト面を考えると、適切ではないように思います。

ですので、今の現状であれば、KPI化してムリして数値を追わなくてもいいと思ってます。特にエンジニア採用ほど、数値通りに進まない職種はありません。あまり積極的には活用はしていませんが、紹介会社経由でも、ヒトメディアのことをちゃんと理解していただける企業様だと、2人紹介して頂いて2人が内定承諾とかはありえるんですよ。だからKPIは、設定せずにヒトメディアらしさを大切にした採用を実施している訳です。ちなみに私自身はKPIに基づいた採用の実施経験もあり、それと比較しての判断でもありますので、経験無しに否定をしている訳ではありません。

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入社前に、モチベーションを100%にあえてさせない

どの方に対しても、こちらからは執拗に口説いたりすることはあまりせず、ヒトメディアの情報をできるだけ開示した上で、最終的には候補者側に判断をゆだねています。他社の人事からは、よく「えっ?口説かないんですか?」って驚かれるんですが(笑)。

私の経験上なんですが、モチベーションを入社前に100%にしてしまうと、そこがピークになってしまって、期待と少しでもズレがあると、モチベーションが下がる原因になってしまうんです。一回ピークを迎えてしまうと、その後上がることってそうそうないのですから。

例えば、モチベーションを下げないように、本当は残業がそれなりあるのに「残業あります」程度にふわっと伝えてしまうと、個人の価値観によって捉え方が異なるため、入社後の期待値とズレが発生しやすくなります。また、個人差がある分、求職者が誤った会社理解をしてしまうこともあるわけです。また、口説きの場では気持ちが先走りすぎて、勇み足になってしまうことも珍しいことではありません。多少の背伸びは必要ですが、その後を考えると必要以上に背伸びをする必要はないと思うのです。

だからヒトメディアでは、そういうネガティブなことも聞かれた時は出来る限り具体的に返答しますし、聞き辛そうなことも、聞かれる前に言っちゃうこともあります(笑)。やはり採用は入社後が重要です。適切に情報提供をして、それを踏まえた上で本人の意志で決めてもらうことで、入社後のミスマッチが減り、会社・本人双方にとってプラスなのでは? と思っています。

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優秀な人も、年月が経過すればライフスタイルは変わる

エンジニアは昔から優秀だった人は現在も採用ターゲットであることが多いですが、そんな方々であっても、月日が経てばライフスタイルが変わってきます。

色々なエンジニアの方とお会いして思うのですが、当時独身で、毎日深夜まで働いていた方でも、結婚したり子供ができたりするなど取り巻く環境が変わり、待遇や業務内容だけではなく、「働き方」に関して気にする方が増えて来ました。一方、採用する側はあまり変化をしておらず、あまりそう言った点を考慮していない企業が多いかもしれません。

例えば、候補者が「あまり残業したくない」と言った時に、額面通り受け止めるのではなく、「なぜそういう風に言うのか」を聞いてみることが大事です。ご結婚されてお子さんがいらっしゃる方であれば、もしかしたら共働きでお子さんの送り迎えがあるなど、ご家庭の事情があるのかもしれません。相手の背景をイメージしながら、色々引き出してみた方が良い選考が出来ると思います。

ちょっとした自社の事になってしまうんですが、ヒトメディアは、既婚率が高く、お子さんのいる社員が多いのですが、選考時にこういった話になった場合は理解出来る環境ではあるので、出来る限り親身になって対応しています。

ただ、それが解決・対応出来ことであればいいんすが、解決できないことも珍しいことではありません。そういう場合は、実現出来ない事を明確に伝えておく必要があります。そのまま入ってもらってもこちら側は期待に応えられる可能性が低く、ミスマッチになる可能性が高いからです。そういう、双方の折衷点を見つけることが、面談や面接でやるべきことなのかなと思っています。

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ー小山さん、ありがとうございました!

前回のブックマークオプションでの採用事例のインタビュー記事はこちらです。
https://hr.wantedly.com/wantedly/hitomedia/

株式会社ヒトメディアの会社ページはこちら。
https://www.wantedly.com/companies/hitomedia

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