自社の採用ノウハウは臆せず共有せよ!メルカリの『ミートアップ』は自社への応募者と“ファン”をも生み出す(後編)

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フリマアプリ『メルカリ』が好調、急成長を遂げる株式会社メルカリ。前編では業界でも話題になったGitHubを活用したユニークな採用方法について伺いました。

後編では、開催する度に参加者が殺到しているという『ミートアップ(Meetup)』の実態を伺うとともに、メルカリの採用を形づくる同社の“バリュー”について熱く語って頂きました。

(※)ミートアップとは、一つのテーマについて興味を抱いている人たちが同じ場所に実際に集まり、情報共有を行う場のことです。参加時にはソーシャルメディアのアカウントを利用することが多く、事前に素性がわかったり、初対面であっても共通のテーマがあることで話題が弾むといった特徴があります。

自社のファンを生み出す、『ミートアップ』開催のすすめ

実際のミートアップの様子

実際のミートアップの様子

—最近『ミートアップ』と呼ばれるイベントを頻繁に開催されているようですね。これは主に新卒が対象ですか?

石黒:いえ、基本的にキャリアをお持ちの方をメインに10回以上やっています。

—現在、ミートアップの開催に力を入れられている理由は何でしょうか?

石黒:最近よく「リファラル採用(※)が大事」と言われていますが、社員紹介と言っても仮に100人しかいなかったら、100人の“つながり“からしか紹介できないわけですよね。そこでカジュアルに”つながり“を増やす方法はないかと考えました。その打ち手の一つです。今開催しているミートアップでは、20名前後で設定している上限を遥かに上回るくらいの方々に、参加申込み頂けています。

それと、実際に開催して何が起こったかというと、「メルカリのミートアップ行ってきました!」という具合に、みなさんSNSで拡散したり、ブログで記事を書いてくれるんですね。カスタマーサポートの回では「担当者と交流してきました!」って自主的にレポーティングして頂いたりとか。

—それは、すごいですね!

石黒:そうなんです!なのでミートアップは本当にオススメです。「次回は運営手伝いますので、またやって下さい!」という熱いメッセージを頂いたり。社員との交流に加え、ミートアップの最後には社内見学をしたりして、雰囲気をダイレクトに感じていただけるので、ミートアップの帰りに応募エントリーして下さった例もありましたね。本当にありがたいなって思います。

(※)リファラル採用:社員のつながり・コネクションを通じた採用のことを指します。

ミートアップは継続的に自社を支えてくれる、“次の繋がり”を生む

—これは口コミ効果といいますか、自然と評判が広がっていきそうですね。

石黒:そうなんです。結局この時代なので、Facebookのアカウントで繋がったりするじゃないですか。そうすると後で「いいね!」を押してくれたり、継続的に応援してくれる人の輪がどんどん広がるんですよね。参加者同士でFacebookグループをつくって、「ノウハウをシェアし続けましょう」というような動きも出ています。

それによって、社員同士というのとはまた違う、“次の繋がり”みたいなものができてくるんです。そして、そこからまた紹介が生まれたり…。

—必ずしも採用という短期的な結果にとらわれること無く、結果的にファンとして周りで支え続けてくれるという効果が期待できそうですね。ちなみにミートアップはどのくらいの頻度で開催されているんですか?

石黒:4月から始めているんですが、だいたい月に2、3回ぐらいの頻度ですね。

—社員の方はだいたい何名くらいで関わられているんですか?

石黒:募集ページ作成などの運営は私ともう1名の2名が関わっています。ホスト側も積極的な参加を促しており、参加人数に関しては、前回の開催時ではエンジニアの人間などを含めて、合計で10名くらい来てくれましたね。エンジニアの回に法務担当が参加することもあり、ホスト側の参加も自主性に任せています。

社内ではあちこちで『メルカリ』のグッズを愛用している方がいました。

—毎回どういった内容でミートアップを開催されるんですか?

石黒:一応、毎回LT(※)のようなものは用意させて頂いています。今まで開催したテーマとしては「エンジニア」「デザイナー」「マーケティング」「HR」、先日は「新卒向け」というのをやりました。あとは「女性限定」の回なんていうのもありましたね。その時は「スタートアップ女子、何で会社を選ぶの?」というのがメインテーマでした。

(※)LT:ライトニングトークの略。イベントなどで行われる5分程度の短いトーク、プレゼンテーションの意味。

—このようなミートアップって、他の会社さんでも結構、開催されていたりするものなんですか?

石黒:エンジニア向けとかはあると思うんですが、いわゆるビジネス系職とかでやっているのは珍しいと思います。

エンジニアがオープンソースに貢献するという思想が一般的にあるじゃないですか?元々はそこから来ていて。勉強会ではお互いが勉強したノウハウをまとめて、共有していこうよという考え方だと思うのですが、そのようにビジネス系のノウハウ(例えば人事の採用手法など)も共有していいんじゃないかと思いまして。

結局、“戦う場所”ってそこじゃないじゃないですか。なので、オープンに出来るノウハウは積極的に共有していくという点を意識しています。

プロセスは任せられアウトプットで評価される文化

—社内の様子について伺いたいのですが、メルカリでは社員のみなさん、夜の8時や9時頃には帰られているということを伺いました。実際のところ、どうなんですか?

石黒:USとのミーティングのために早く来ていることや、フレックスを上手く活用しているのも一因だと思いますが、みんな早い…めちゃくちゃ早いですよ、帰るの。

—その辺りで徹底されている理由や、実現できている秘訣などあれば。

石黒:みんな本当に“大人”なんですよね。家庭を持っているメンバーが多いということもありますし。基本的には会社の方針の中でプロセスに関してはそれぞれに任せられ、アウトプット(結果)で評価していきますので、期待されているパフォーマンスが出せていればやり方は個々で良いと思っています。

逆に早く帰ってもらって外部の勉強会とかにも行ってもらいたいですし、副業も認めているので感度を高めるために外にでるというのは大切なことです。

なので、夜の12時とかには誰もいないです。もちろん時期としては必要な時もあると思いますが、ずーっと12時退社とかは本当に健康や精神衛生の観点からも良くないですよね。

—多分いろんな会社が同じこと…

石黒:思っていると思うんですが、やれている会社はなかなか無いですよね。このことに限らず、「出来たらいいとは思っていても、なかなか出来ない…。」ことって有ると思います。それはおそらく、“上手くできないのが怖いから”なんじゃないかと思うんです。

ミートアップを開催することも同じなんですが、最初から不安がなかったかといえば嘘になります。まずは「上手くやること」ではなくて「とにかく開催してみること」を大事にGo Boldに実施してみたんですね。

そして、実際にやってみたら、みなさん来て頂けるということが分かりました。喜ばれるし、そして何より盛り上がるんです(笑)。まずは実施し、その後に改善していいものにしていければと思いますし、それはサービス開発と同じだと思います。

「Go Bold」「All for One」「Be Professional」採用においても重視される『メルカリのバリュー』

打ち合わせ室の扉には、メルカリのバリューを表す単語も

打ち合わせ室の扉には、メルカリのバリューを表す単語も

—社員を早く帰そうと思っている会社はたくさんあると思うんですが、現実としてはなかなか難しいという実情があるかと思います。そこが実現できているという点については、何が違うんでしょうか?

石黒:そうですね。みんな個人の裁量の中でアウトプットにこだわっているということで、集中して早く仕上げる時もあれば、時間をかけて熟考しモノゴトに向き合うこともあります。あまり表面的な「仕事を早く終えましょう」という空気ではないですね。

メルカリのコアな価値基準として「Go Bold」「All for One」「Be Professional」という3つのバリューを定義しています。これは採用に関しても同様で、みんな高いレベルを保って採用時も向き合っています。

先ほども言いましたが、今のメルカリのメンバーはみんな本当に自律した大人なんですよね。お互いをリスペクトしながら、その中で自らの専門性を発揮し成果を出してやっていくことが出来るかどうかを基準として採用をしています。

入社の時点で私自身も子どもがいましたし、他のメンバーも大きな会社から移ってきたりしている中、連日遅くまで働いて、家族にそっぽ向かれてもしょうがないじゃないですか。「そうじゃないよね」ということは皆、思いながらやっていると思います。

—なるほど。メルカリが“大人のベンチャー”と呼ばれる理由が理解できた気がします。本日は貴重なお話をありがとうございました!

(編集・執筆:サムライト
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