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ロジックでは無く、感情に訴える。社内外への広報を社員インタビューで一気に解決する「採用広報」

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印刷会社の非稼働の印刷機を活用した印刷ECサービス、チラシを使った集客支援サービスで急成長中のラクスル。「第29回日経ニューオフィス賞」も受賞しているおしゃれなオフィスをネットなどで目にしたことがある方も多いかもしれません。売上や認知の拡大にあわせて積極的に採用を行い、社員数も増加中です。
そんな採用戦略の要となるが、社内外に向けてラクスルの“らしさ”を伝える「採用広報」です。

意図的に社外内に広報を行うことで、採用のためのブランディングを行いつつも、社内の既存社員と新入社員の溝を埋めることを可能にした、攻めと守りを両立する採用広報について忽那さんにお伺いしました。

広報・人事共に未経験。課題を解決するなかで自然と生まれた「採用広報」

―webの記事や、ウォンテッドリーなどで、さまざまな情報発信を拝見したのですが、忽那さんはこれまでもずっと広報や人事のお仕事をされてきたんですか?

忽那さん:実はラクスルに入社するまで、広報も人事も経験はありません。
広報は入社してからなので1年で、人事は2016年8月からなので経験はまだ浅いです。

―そうなんですね!意外です。どういった経緯で広報、そして人事の仕事をされるようになったのですか?

忽那さん:入社のきっかけは、CMOの田部から声を掛けられたことです。
以前は情報サイトを運営する上場企業で、会長秘書をしていました。その前は、ウエディングプランナーをしていて、田部はその頃の同僚です。

広報と前職の共通点を挙げるとすると、「要望があって、なんとかしなければいけないこと」を裏方としてなんとかする点ですね(笑)
ラクスルに入社した当時は、「お客様の声」という視点からサービスを改善する必要があったので、広報兼カスタマーサポートを担当していました。

広報として外部メディアの取材を受けながら、お客様にどのような要望があるのかをアンケートから抽出したり、お客様にご来社いただいて行うユーザー座談会の運営がメインでした。座談会を始めて半年程度経過した頃には、社内に「お客様の声を聞く」、そしてそれを改善に役立てるマインドが醸成されていきました。

そうなると次は「出てきた課題を解決する」ための人手が足りなくて……
オフィスが広くなったことも後押しとなり、新オフィスのPRとからめて採用を強化することになった流れで人事も担当することになりました。

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―広報に人事の業務が加わったんですね。そこから「採用広報」の考え方が生まれたのですか?

忽那さん:そうですね。意識して作ったと言うよりは、自然とそうなっていきました。

移転をしたオフィスがすごく特徴的でした。そのオフィスを取材していただく機会が多く、オフィスの文脈からラクスルを知ってくれる方が増えた実感がありました。
そこで、新しいオフィスを採用のために打ち出すようになったのです。

積極採用により、徐々に人が増えだすと今度は、既存社員と新入社員がお互いのことをあまり知らない状況が生まれてきました。そこで、お互いのことを知るために、社員インタビューをしてウォンテッドリーに掲載することにしたんです。

ですので、社員インタビューはウォンテッドリーに掲載はしているのですが、私の中では社内広報の位置づけです。
社員インタビューには入社の経緯や現在の職務、今後どうしていきたいかを掲載しています。

社内向け広報と社外向けの広報を両立し、採用広報を実現するには?

―社内広報のためウォンテッドリーのメンバー紹介を活用いただいている企業は珍しいと思います!社内からの反応はいかがですか?

忽那さん:かなり良いです!
インタビューは取材した社員にも必ず確認してもらうので、キャリアや考え方の棚卸しにつながったとの声もあります。広報視点では、どんな社員がいるかを把握することで、外部取材を受ける際のデータベースとしても活用出来ます。
あとは、自社のFacebookなどになかなか「いいね」してくれない社員も、自分のインタビュー記事はシェアしてくれたりするので外部広報の効果もあります。

現在はエンジニアの採用に力を入れているので、エンジニアのインタビューは多めです。2週に一回はインタビューをして記事を公開することを心がけています!文章を書いたり、インタビューすることは結構好きなんです。

―結構頻繁に社員インタビューを実施するのですね。現場の協力を仰ぐコツなどはありますか?

現場の協力を仰ぐ一つ目のコツは、上の人を押さえることです。エンジニアに頻繁にインタビューするので、システム部の部長を巻き込むことは必須でした。
経営層が「採用」を重要課題だと認識し、社員にも示していることが、社員インタビューを円滑にしている部分も大きいと思っています。

二つ目のコツは、上長からだけでなく社員インタビュー対象者にも個別でも連絡することです。インタビュー依頼だけでなく、記事公開の連絡は必ず個別に連絡しますし、「〇〇さん協力ありがとうございます」とみんなの前で発表することもあります。
その方に、しっかりスポットライトが当たって、気持ちよくなってもらうことが重要だと思っています。

―社員インタビューを作成する際に他に心がけていることはありますか?

忽那さん:できるだけ生の声が載っていることを意識しています。
通常の採用媒体には載らないような、裏側が垣間見えることが重要だと思っています。

ラクスルのビジネスはBtoBビジネスなので、社員インタビューを読んでいただく方の中には「ラクスルという名前は聞いたことあるけど……」という方も多くいます。
ですので、中で働くとどうなるが垣間見えることで、興味をもって記事を読んでいただけます。

例えば日常風景を紹介する記事の中でさりげなく「福利厚生でお菓子食べ放題。」など、ラクスルならではのことを紛れ込ませています。

―社員インタビュー以外にも「採用広報」取り組んでいること教えてください。

リアルの場でラクスルの社員と交流ができるミートアップにも力を入れています。

オフィスが話題になったことで、「見てみたい」「遊びに行きたい」と外部の方からお声をいただくことが結構あります。

ラクスルではオープンでフランクに遊びに来られるオフィスを目指しているため、社員が外部の人を会社に招く際も特に許可などは必要ありません。
せっかく人が集まるので、どうせならと、真面目なエンジニアリングのミートアップや、本当にゲームしか行わないゲーム大会などを積極的に実施するようになりました。いろんな企画をしてより多くの方にラクスルを知っていただくキッカケにしたいなと思っています。

ラクスルの社員はコンサル、メーカー、金融などバックグラウウドは幅が広い
ですが、共通点としては人が好きで外向きの人が多い印象です。

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とことんまで応募者に向き合う採用フローが採用成功の鍵

―採用広報の効果測定のためにどんな指標を設定しているんですか?

人事のミッションは採用の母集団を形成することです。採用の可否は完全に現場のジャッジになるため、その前段階でどれだけの人を集めることが出来たかを指標にしています。

部署の担当者や責任者、複数人が面接に従事するため、属人的に評価にばらつきが出ないように、事前に「どんな経歴の方か?」「人柄は?」「応募の経緯は?」などの読み合わせを行います。
面接のあとも、どういうポイントを見て、どういう評価をしたかを必ず共有するようにしています。

この規模だから可能なのかもしれませんが、応募者の方とはとことんまで向き合うようにしています。
面接では現場メンバー、部長、関係ない部署の人、トップ、経営陣、など様々な人に会っていただきます。ときには一緒に食事に行く場合もありますし、応募者の方から「この人に会いたい」指名があった場合にはその人をアサインするようにしています。
これを、応募者の方が納得のいく結論が出せるまで行います。

入社前から多くの社員と会っているので、入社初日から「あ!今日から入社なんだね。」とスムーズに受け入れられますし、入社後のフィット感も違ってきます。

大手企業には待遇などでは劣っていますが、その部分も誠実に伝えています。
それでも一緒に頑張ってもらえるかは応募者に決めていただくしかありません。

このスタンスや取り組みが効果を出しているか、明確に答えは出ていませんが、たとえ年収が下がったとしてもラクスルで働きたいと入社してくれた方は多いです。

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―最後に人事アンテナの読者の方に何かメッセージはありますか?

忽那さん:採用広報で、重要なことはロジックではなく、感情の部分に訴えていくことだと思っています。

実際、秘書やウエディングプランナーの仕事でロジックではどうしようもないものを感情に訴えたことで乗り越えた経験も数多くあります。

インタビューを実施した際に個別にお礼の気持ちを伝えたり、インタビュー対象者が記事をシェアしてくれたら「いいね」をつけたり、1行でもいいからコメントをつけたりと、細かいことの積み重ねが大切になります。

当たり前ですが、お互いが気持ちよく仕事に取り組める状態を目指すのが大切だと思っています。

―ありがとうございます。

広報や人事のノウハウに頼るのではなく、これまでの経験から対ヒトとして感情を大事して取り組む採用広報が、成功の秘訣だと感じるインタビューでした。
いきなり全てを真似するには時間も労力も足りかもしれませんが、細かい積み重ねの部分から1歩踏み出して見るのは良いかもしれません。

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