「エンジニアは追うと逃げる。」スピカ代表・國府田勲流の採用成功メソッド(後編)

スタートアップこそ、「仲間」を探す時間は惜しむな!スピカ國府田流、エンジニア採用術(後編)

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2014年4月、株式会社ゆめみからスピンアウトして設立され、ネイル写真アプリ『ネイルブック』を運営してきた株式会社スピカ。ほぼクチコミだけでユーザー数を増やし、2015年1月にアプリ100万ダウンロードを突破。翌2月には、1億円の資金調達に成功しています。

そんな飛ぶ鳥を落とす勢いのスピカ代表・國府田勲(こうだ・いさお)氏に、スタートアップが苦戦しがちなエンジニア採用の秘訣について伺いました。「追うと逃げてしまう」タイプが多いと言われるエンジニアを獲得するために、國府田社長が工夫していることとは一体…?

▼前編を読んでいない方はまずコチラから!
ネイルブックで1億円の資金調達に成功した國府田勲が語る、エンジニア採用奮闘記(前編)

社長自ら、エンジニアをナンパしに行く

國府田:採用は、経営者にとって最重要項目だと思います。だから僕も今、人材確保に向けて積極的に動いています。新しい優秀なエンジニアさんとの出会いを求めて、勉強会などによく足を運んで声をかけてます(笑)

―――まるでナンパですね(笑)ちなみに、國府田さんはどんなナンパテクをお持ちなんですか?

國府田:勉強会で発表や質問をしていた人を中心に軽く声をかけてますね。その時に波長が合えば、半年、1年…と時間をかけて関係性を築いていきます。
國府田社長2
その場ですぐに「ウチに来てください!」と誘うことはまずありません。僕自身、エンジニアなのでわかるのですが、そうやって軽く誘われてもなかなか信用できないんですよね。「会ったばかりで、自分の何がわかるの?」って。やはりエンジニアの固いガードを崩すには信頼関係を積み上げるしかないのかなと思います。

だから、定期的に情報提供したりして「恋心」は伝えつつも、相手に「選んでもらう」というスタンスを取っています。スタートアップはどれだけ採用に時間をかけるかが重要だと思っているので、お互いに理解しあえる時間を多くとるようにしています。

―――ちなみに、今回採用された方は、どんなフローで決まったのでしょうか?

國府田: Wanetdlyから応募があり、最初の面談だけ僕がやりました。その後は、ウチの雰囲気を知ってもらうために、4回ほど飲み会やランチをセッティングしまして。

―――4回も!それはまたどうしてですか?

國府田:その方はすごく真剣に考えてくれてて、1回目の飲み会の後にも色々な質問をしてきてくれました。それで、じゃあもっと具体的にイメージできるように、2回目、3回目を開催しよう!となっていったんです。こちらとしても、やっぱりちゃんと納得してもらった上で来てほしかったので。

1年かかっても、本当に欲しい人しか採用しない

國府田社長1
國府田:ただ、それでようやく1名の入社は決まったものの、ここまでやってきて、経験豊富なエンジニアをゼロから探して採用することの大変さを痛感しました。だから最近は、経験の浅い荒削りなエンジニアも視野に入れてみようかと思うようになって。

―――そうするとかなり採用難易度は下がりますよね。でも一方で、経験の浅いエンジニアを育てる方が難しいと考えるスタートアップも多いと思います。実際、少人数体制で教育に時間を割くのは大変ではないですか?

國府田:それが、よく考えたらうちのエンジニアってみんな新卒から育ってきてるんですよね。あまりにみんなできるから、僕も忘れちゃってたんですけど(笑)

それを思い出して、「同じことを繰り返せばいいんだ!」と思ったわけです。既に実績が出ているんだから、経験豊富な人ばかり狙わなくてもいけるはずだと。そこにいる林くんも、去年学生アルバイトから新卒で社員になったエンジニアなんですが、すごく優秀ですよ。

林さんと國府田社長
(ここで林さん登場)

國府田:実は林くんも、スピカがゆめみから独立する前から1〜2年かけてじっくり口説いて入社してもらったんです。

彼は自分で決断するタイプだとわかっていたので、無理な勧誘はしないと決めていて。こちらへの警戒心を抱かせないように、色々と作戦を立てながら慎重に行動し、彼がその気になってくれたときのシグナルを見逃さずに攻めて落としました。

―――まるで「狩り」ですね(笑)林さんは、その動きを薄々感じていましたか?

林:はい、半分ほどは伝わってきてました(笑)

―――今回は林さんも採用に関わったんですよね。同僚として、「こんな人に来てほしい」とかはありましたか?

林:自分は一応先輩という立場ですが、エンジニアのレベルとしてはまだまだです。だから、新しく入られる方と技術交換や知識共有をしたい、という思いの方が強かったですね。
エンジニアの林さん
―――スタートアップだと、新たに入る「1人」の存在は大きいですもんね。

國府田:そうですね。だから過去には僕が「いい!」と思っても、他の社員たちが「うーん」って反応を示したから採用を見送った、というケースもありました。

―――最終決断は社長じゃないんですね。

國府田:僕には何の権限もありません(笑)基本的に、サービスを育ててくれているのも全部メンバーなので。だから採用は全員で行うというスタンスです。

当たり前かもしれませんが、僕は「会社」の成長は「人」の成長だと思っています。メンバーが伸びていけば、自ずと事業も伸びていくだろうと。だからスタートアップの場合、いかに切磋琢磨して、お互いに成長し合える人が集まれるかどうかが非常に重要だと思いますね。その出会いのルートをつくるための努力は惜しみません。

スタートアップこそ、「人」を大切にするべき

既存メンバー
―――最後に、今後の御社の採用方針について教えていただけますか?

國府田:今回おかげさまで1億円の資金調達ができましたが、この使い道はほぼ採用に充てる予定です。やっぱり、プロダクトをつくるのは「人」なので、そこを厚くしていきたいという思いがあって。

ネイルブックは、まだビジョンの中間地点。これから新しいアプリをどんどんリリースしていくにあたって、力になってくれる人を積極的に採用していくつもりです。エンジニアだけでなく、デザイナーなどの別職種も募集したいですね。スタートアップは資産がない分、何よりも「人」を大切にするべきだと思っています。

―――きっと他のスタートアップやベンチャー企業の人事の方にも参考になる内容だと思います。本日は貴重なお時間、どうもありがとうございました!

(編集・執筆:サムライト

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