GameWith今泉社長

早く部下をつけることが、離職率の低下につながる。1年半で50名を採用したGameWith 今泉氏の人材戦略(後編)

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2013年にマンションの一室から3名でスタートした株式会社GameWith。1年半でメンバーが約50名に増え、運営するゲーム攻略情報メディア『GameWith』は2015年に入り月間6億PVを達成しました。5月には5億円の資金調達を行い、今後さらなるサービス拡充と人材採用の強化に向けて動くという方針を打ち出しています。

インタビュー前編では、代表取締役の今泉卓也氏に創業期の人の集め方について伺いましたが、後編では優秀な人材に長く活躍してもらう方法や、今後の人材採用強化に向けた取り組みについて質問してきました。

▼前編はこちら
月間6億PV達成のカギは、SNSでのラブコールにあり?GameWith 今泉卓也氏に学ぶ、優秀な人材の集め方(前編)

社員の「経営者目線」が、会社の危機を救った

GameWith今泉社長
—優秀な人材を獲得するためには地道な努力が必要な一方で、採用した人が長く働いてもらえるような努力も大事になってくると思うのですが、その点で工夫されていることはありますか?

今泉:まず1つは、しっかりと自分の想いを共有し、みんなに経営者目線を持ってもらうこと。例えば、社内で何かルールを作ったときに、トップダウンでただ「作りました」と言うと、「なんでそんな変なルールが…」って不満が生まれるじゃないですか。でも「こんな理由で、このルールを作りました」と言うと、納得してもらいやすくなるんですよ。小さなことでも、意思決定の裏にある理由や考え方のプロセスを共有することが大切だと思っています。

今泉:あともう1つは、早く部下をつけること。部下ができるとマネジメント側の立場を実感できるので、上から来る指示の背景が見えやすくなるんですよ。そこで当社は、早い段階からアルバイト採用を始めました。サービスリリースの1ヶ月後にはもうアルバイト第1号が入ってましたね。

—なるほど。あえて早い段階から、社員の下にアルバイトをつけたんですね。

今泉:はい。実際、部下ができると、考え方も行動も全く変わってきます。最初は僕に不満を直接ぶつけてきたメンバーも、今では同じように不満を言ってくる下の子に「全体を考えると、このルールも必要なんだよ」なんて言い聞かせたりしていますよ。

—それも「経営者目線」を養ってもらうための有効な施策なんですね。

今泉:その通りです。以前、社員の半数が関わっていたプロジェクトを途中でストップすることになり、社内が険悪な空気になったことがあって。でも結局、1人も辞めずに残ってくれたんです。それも、みんなが「自分が意思決定するとしても、同じことをするだろう」って経営者目線で考えられたからなのかなと。

そこでもし経営者目線がなかったら、「自分は一体何のためにこれをやってきたんだろう」とヤケになって、退職する人もいたと思うんですよね。サービスリリースから1年半で月間6億PVを達成できた1つの背景には、ここまでにアルバイトを含め約50名を採用し、メンバーが自分と同じ目線で物事を考えられるような環境を作ってきたことにもあると思っています。

アルバイトにもトップレベルの仕事を要求

GameWith今泉社長
—経営的な観点からも、アルバイト採用を非常に重視されていると思いますが、実際にどんな採用活動をされているんですか?

今泉:ゲームの攻略サイトを更新するゲームライターのアルバイトを募集しています。選考で重視しているのは、「ゲームのやりこみ度」ですね。うちの攻略サイトを見てくれている人に対してもサイト上で求人を出しているんですが、その応募フォームには「1日のゲームプレイ時間」などを入力する欄があります。

—面白いですね。「どれだけゲームをしてきたか」が採用基準であると。

今泉:ゲームをやり込んでないと、本当に内容の浅い記事になっちゃうんですよね。それでは僕らが企業としてゲーム攻略に取り組む意味がないだろうと。だから、「どこよりも質の高いものを出す」という想いのもと、毎月1万円まで会社がゲームの課金を負担する、100時間プレイしたら時給が200円上がる、などの仕組みを作りました。

—「お金は出すから、ゲームをしなさい」と会社が言ってくれるという。好きな人にとってはたまらない環境でしょうね。

今泉:でも逆に、そこまでやらないと質の高いコンテンツが生まれないと思っていて。やっぱり、ゲーム攻略のコンテンツって、自分より詳しい人に教えてもらえるからこそ読む価値があるんですよね。「ゲームを始めて3ヶ月です」みたいな初級・中級者の人が書いても、絶対に上級者向けの記事にはならないじゃないですか。

だからうちで働くのであれば、アルバイトでも最低限、トップクラスのゲームプレイヤーになってもらわないといけません。そのためにも「ゲームをいっぱいやっている人ほど偉い」という社内文化を作り上げたんです。ゲームをやることが直接評価につながる制度に変えてからは、記事のクオリティは格段に上がりましたね。元々ゲーマーじゃなかった人が、いつの間にか大のゲーム好きになっていたりもしますし(笑)

資金調達の5億円を使って、「待遇面」を改善する

GameWith今泉社長
—今回、5億円の資金調達を行い、「人材採用を強化する」とHPでリリースを出されていましたが、具体的にはどの部分を強化していく予定ですか?

今までは、スタートアップということもあり、どうしても求職者に提示できる年収が低めになってしまっていたんです。そのせいで、本当に欲しい人材がいて、本人もうちに来たいと思ってくれているのに、生活のことを考えるとなかなか難しいケースもあって。20代だったら、「それでもやりたいです」って入って来てくれたりするんですけど、もっと年配で家庭があるような方は、「月に最低これくらいは欲しい」という額がはっきりしているんですよね。

そういう金額で折り合いがつかなかった、スキルや経験を持った人たちをもっと採用していきたいと考えています。そのためには、メガベンチャーに行こうと考える人たちが当社も候補に入れてくれるように、まずは給与テーブルを合わせていくところから始めたいなと。

—採用強化と言っても、単に人数を増やしていくというだけではないということですね。

今泉:これから当社は0を1にするのではなく、1を10にする、或いは10を100するというフェーズに入ってきます。そのためには優秀な人と巡り会える機会を増やしたいので、まずは彼らにとってネックとなっている部分を解消します。つまり、求人広告にお金をかけるだけでなく、待遇面を充実させていくということです。

—具体的に採用を強化するのは、エンジニアやWebディレクターですか?

今泉:その2職種に関しては、良い人がいればいるだけ採りたいなという感じですね。ただ、他にもデザイナーや人事、管理部門も含め、ほぼすべての職種で募集をしています。引き続きアルバイト採用も進めていきたいですね。

—これまで通り、アルバイトを部下につけて若手社員を育てながら、次は各職種の経験者層も採りに行くということですね。今回お話を伺って、6億PVはまだまだ通過点なのだなと思いました。本日はどうもありがとうございました!

(編集・執筆:サムライト

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