HDE高橋さん

“言葉の壁”を壊すことが、100点の人材を獲得する近道。HDE 髙橋氏が英語の公用語化を進める理由(後編)

LINEで送る
Pocket

昨年からグローバル採用を始め、早くもエンジニア採用を中心に複数の成功体験を積んできた株式会社HDE。今後はますますそのスピードを加速させ、来年には「英語の公用語化」が決定していると言います。インタビュー後編では、人事本部長の髙橋氏に、その理由や今後の採用の在り方などについて伺いました。

▼前編はコチラ
数ヶ月でエンジニアを5名採用!HDE 髙橋実氏が進める、グローバル採用の「ブルー・オーシャン戦略」とは(前編)

乗り越えてきた「宗教」と「言語」の壁

HDE高橋さん
—グローバル採用で着実に結果を出されていますが、ここまで来るのに壁にぶつかることはありませんでしたか?

髙橋:知識も経験もない状態から試行錯誤してきたので、やはり色々大変でした。特に大きな壁として感じたのは、宗教文化。ムスリム系のメンバーを迎えることが決まった時、「そもそもイスラム教とは…」というところから、必死に勉強しましたね。食べ物や礼拝などの独特な文化をどうアテンドしようかと、社内で議論を重ねました。

でもこういうのって、実は知らないから怖いだけなんですよね。分かってくれば、最低限気をつけるべきところだけを押さえればOKなので、今はもう宗教も全然気になりません。

—「言語の壁」はどうでしたか?

髙橋:最初は当然ありましたね。実際、かなりフラストレーションが溜まっていた既存メンバーもいたと思います。でも、コミュニケーションの頻度を高める場面を徹底的に作ることで、乗り切りました。

例えば、新たにグローバル人材が入ると「ランチパレード」を開催します。ランチ代を会社が出し、日替わりでメンバーを入れ替えて一緒にランチに行くんです。言語って結構「慣れ」が大きいので、これを続けると次第にコミュニケーションレベルも高まるんですよ。また、彼らも母国語が英語なわけではないので、自然とお互いに傾聴し合い、必死にコミュニケーションを取ろうとする文化が生まれることが分かりました。

英語を公用語にしなければ、日本は追い抜かれる

HDE高橋さん
—来年には、英語の公用語化を導入されるんですよね。

髙橋:はい。先にゴールを設定して、来年の9月末をタイムリミットにしました。最初は僕も「時期尚早じゃないか」と反対したんですけどね(笑)でも、方向としては絶対に必要なことですし、現地に行ってからは「英語公用語化は、早ければ早いほうがいい」という考え方に変わりました。

日本ではビジコンで英語を使うようなシチュエーションって、ほぼ皆無じゃないですか。でも、東南アジアでは当たり前のように英語が使われています。このままだときっと、数年後に日本は追い抜かれてしまうでしょう。グローバル採用や英語化などをネガティブに捉えている人は、現地に一度行ってみるといいと思います。ものすごく危機感を覚えますから。

日本のマーケットだけで生き残っていく企業だったら話は別です。ただ、いずれは世界展開がゴールラインになっているのなら、一刻も早く英語の公用語化をやった方がいいだろうなと感じます。でも、まだそこに踏み切っている企業はほんのひと握りなので、僕も色々な企業の人事の方とお話をしながら、今は仲間を探しているところです。

—英語の公用語化に向けて、どんな準備をしているんですか?

髙橋:会社をあげて、社員の英語学習を支援しています。たとえば、会社が費用を負担して、オンライン英会話を社員に提供しています。まあ月額3000〜4000円×社員数なので、大した金額ではないんですけどね。でも、慣れていない人が英語学習を続けるのって、結構大変で。もっと勉強した方がいいと思う人に限って、学びを習慣化できなかったりするんですよ。

—そういう人には、どう対応するんですか?

髙橋:「セブ島流し」という制度を適用します(笑)英語を喋らざるを得ない環境のセブ島に、4週間放り込んでしまうんです。コストはかかりますが、必要最低限のレベルまで引き上げるためには、やる価値がありますよ。今までにもう10名くらい送り込みました。

崩れゆく「新卒採用」や「内定」の概念

HDE高橋さん
—グローバル採用を始めてから、国内採用にも何か変化はありましたか?

髙橋:グローバル化を推し進める中で、日本の採用スケジュールに合わせる意味を感じなくなり、もう新卒も完全に通年採用に切り替えました。基本的に入社時期はいつでも構いませんし、何なら学生のうちから入社してもいいと思っています。新人教育って、内定承諾の時点からもう始まっていると思うので。

—そうなると、いずれ「内定」の概念もなくなっていきそうですね。

髙橋:当社ではその概念をもうほとんど壊しつつありますね。そもそも今のグローバル採用では、内定というプロセス自体がないので。インターンシップを終えて正式な選考プロセスを経たら、ワーキングビザが取れればもう即入社ですから。

—今後のビジネス展開を見据えて、国内の新卒採用で工夫していることはありますか?

髙橋:ビジネスサイドに振り切った頭を持つ学生さんたち向けに、海外出張カバン持ちインターンシップという企画を始めています。HDE社員の海外出張について行って、ビジネス現場で就業体験をしてもらうという内容です。もちろん渡航費や滞在費はすべてHDEが負担します。

ただし誰でも行けるわけではなく、その前にスクリーニングを徹底的にやります。だから今、非常にハイレベルなメンバーが集まってきてくれていますよ。HDEはどうしても技術系の会社に見られがちで、これまで非技術系の人材獲得に苦労していたんですが、今はグローバルディベロップメントができる非技術系の人材を獲得するために、こうして戦略的に動いているところです。

「英語の壁」を取り払い、100点の人材を探しに行く

HDE高橋さん
—最後に、御社の今後の人材戦略について教えてください。

髙橋:これから5年かけて社員数を2倍強、300人規模にする計画を立てているんですが、基本的には「少人数でいかに最大利益を上げるか」を徹底的に追求していきます。だから今はむしろ採用のレベル感を上げて、会社のコアメンバーとなるような100点満点の人しか採用しない方針です。マーケットの変化が激しいので、大量採用で70〜80点の人をどんどん入れても、結局ついていけなくなると思うんですよね。そして我々はその100点満点の人材を獲得するために、国内だけなく海外にも目を向けているわけなんです。

—100点満点の人材であれば、国籍も問わないと。

髙橋:もう関係ないですね。共通言語を英語にさえすれば、他の壁なんてすべて取っ払われるので。それに、違うものを取り入れる時には相乗効果が生まれて、グローバル採用をすることで、自分たちが思った以上のアクセルが踏めるんです。これもやってみて初めて分かったんですけどね。だから今は、「失敗してもいいや」という気持ちで、皆で走りながら考えて動いています。

—トライアンドエラーを行いながら、スピード感を持って突き進む姿勢が、グローバル採用の成功につながっているんですね。海外進出を検討されている企業の人事の方々にとっても貴重なお話になったと思います。本日はどうもありがとうございました!

(編集・執筆:サムライト

LINEで送る
Pocket