内定辞退を避けるために心がけたい内定の出し方のポイント5つ

【寄稿】内定辞退を避けるために心がけたい内定の出し方のポイント5つ

LINEで送る
Pocket

ごあいさつ

株式会社人材研究所代表の曽和と申します。

株式会社人材研究所代表 曽和利光

寄稿記事一覧

■今年は内定辞退続出の年!?

求人倍率の上昇や、いわゆる「就活後ろ倒し」の影響もあり、主に中小企業やベンチャーにとっては、今年(2016卒)の新卒採用は、不安を抱えての採用活動となっていることでしょう。

中でも、内定を出した学生からの内定辞退は大きな不安材料ではないでしょうか。供給よりも需要が多いのですから、全体を通してみれば当然ながら、内定辞退は必ず発生してしまいます。しかし、内定を出した会社側にとっても、一度意思を固めた学生側にとっても、内定辞退は避けたい出来事であるはずです。今回は、内定辞退防止のために会社側ができることを書いてみました。きっと効果があるはずなのでぜひお試しください。

1. 内定者のパーソナリティに合わせた内定の出し方をする

まず注意したいのは、「うちはこういう内定の出し方をしています」と、全員に一律同じ内定の出し方をすることです。内定とは、「あなたを評価しています(あなたが好きです)。だから入社して欲しいです(結婚してください)」という、いわばプロポーズのようなものです。それなのに、多くの人に送りつけているコピペしたような内定通知を見ると、学生は入社意欲が萎えてしまうかもしれません。

「自分はこの会社にとって、one of themに過ぎないんだな」「なら、別にそんな風にしか見てくれないところにコミットすることないや」と、辞退についても気楽に考えさせてしまいます。

社内の表彰や送別会の色紙など、一律のコメントややり方でメッセージングしないように、内定出しにおいても、個々人の志向などを踏まえて、彼/彼女が重要感を感じるような内容・伝え方をするとよいのではないでしょうか。

2. 内定者の意思決定スタイルを考慮する

物事を決める際、熟慮型の人もいれば、即決型の人もいます。論理型の人もいれば、直感型の人もいます。そういったそれぞれの「意思決定スタイル」を加味せずに内定出しをすることは、内定辞退を招いてしまう可能性があります。

直感・即決型の人に対して、器の広いところを見せようと「十分考えてから結論を出していいよ」とすれば、「なんだ、自分のことをそんなに評価してくれていないんだ。もっと強く迫って欲しかった。拍子抜けだ」と思われ、強く引っ張ってくれた他社に即決してしまうかもしれません。逆に、論理・熟慮型の人に、情熱だけで「もういいじゃないか。僕らは君に入社して欲しいんだ。どうかこの場で意思を固めてくれないか」と懇願しても、「自分を欲しいがために、強引に無茶を言ってくるのは不誠実だなあ。もっとちゃんと考えさせてくれるところに行きたい」と心が離れてしまうかもしれません。

3. 直接目を見て内定を告げる

直接目を見て内定を告げる
最近ではLINEなどで告白をするなどということも普通になってきているのかもしれませんが、やはり直接接触をして行うメッセージングが最高であることは今でも変わりないと思います。電話やメールなどで「内定です」とどれだけ言葉を尽くして告げたとしても、やはりインパクトは薄いものです。

人は「簡単に手に入ったものは、価値が低い」と感じる動物です。さらっと告げられた「内定」には、それだけの価値しか感じません。つまり、軽くメール一本で辞退してもよいものと考えてしまうことを助長します。

そうではなく、プロポーズは対面ですべきです。電話等では「合否結果を告げるから」とだけ伝えて来社してもらい、その場で現状の彼/彼女の就職活動状況や意思について確認した上で、「当社の選考結果は、○○○の理由で(できるだけ詳しく)、内定をあなたに出したいと思います。入社してもらえますか」とちゃんと話す方が重要に考えてもらえると思います。その際、採用担当者がその内定を喜んであげたり、握手をしたり、いろんな人を連れて来て祝福したり、などをすると、より気持ちが伝わると思います。

4. 内定受諾者と定期的に接点を持つ

マリッジブルーという言葉があるように、重要な決断をした後は、人は「本当にこれでよかったのだろうか」と思い悩むもの。「選ぶ」ということは「他を捨てる」ということで、もう二度と生きられないその他の可能性について恋々とするのは当然のことです。

同じように内定受諾後に、学生は程度の差こそあれ「内定ブルー」に陥ってしまうこともあり得ます。そのため、内定を受諾してもらった後は、この「内定ブルー」に寄り添って定期的に接点を持つ必要があります。この不安な時期は、他社の採用担当者がつけこみやすい時期とも言えるからです。

「そうだよね。心配だよね。え、放置されているの?かわいそうに。(釣った魚に餌はあげない、とは言わないまでも)あまり重要視されていないのではないかな。僕だったら放ってはおかないけどね」と、(そのまま言う人は皆無でしょうが、意味的にそのようなことを)他社の採用担当者は言っている可能性もありますので、できるだけマメに連絡を取ることを心がけてください。

5. 採用担当者自身がどんな人物なのかをさらけ出す

最後に、最も重要なことをお伝えしたいと思います。たくさんの学生の話を聞いていて思うのは、結局彼らの本音は「何をするかよりも、誰とするか」です。

私が昔いた会社でも、本音の入社理由は「この会社の人達が、自分を一番理解して評価してくれたから」でした。自分が信頼できる人≒自分を信頼してくれる人、と働きたいと強く願うのが人です。しかしながら、本当に多くの採用担当者は自分のことをちゃんと語りません。どんな人生を歩んできたのか、どんなトラウマがあるのか、どんな成功体験があるのか、どんな価値観なのか、なんでそうなったのか・・・等々。社会人になってからの仕事内容とかやりがいとかの、通り一遍の話はしますが、経験のない学生にとっては「ふうん、そんなものか」程度の情報であり、聞いたからと言って共感や信頼は生まれません。

そのような状態のまま、「僕は君を評価しているから来てほしい」と言われても、「なんだか得体の知れない人から、君が好きだと言われているけど、本当に信じて大丈夫なんだろうか」と思わせてしまうかもしれません。告白やプロポーズにも通ずることですが、お互いをよく知った上で行うのが一番よいはずです。

■採用活動において最もパワーをかけるところが内定出し

内定出し
合理的に考えれば、玉石混交の参加者に対する説明会運営などと比べて、目の前の本当に欲しい人材に対する内定出しが大切であることは明らかです。しかし、多くの会社では実際はそうなっていません。応募者が目をキラキラさせて自分の話を聞いてくれる「気分の良い」説明会(例えて言うなら合コン等のイベント)ばかりに力を入れるのではなく、引く手あまたの優秀な学生に自分も評価されているような気になる「ドキドキする」内定出し(例えて言うならプロポーズ)こそ、恐れずに立ち向かうべきでしょう。きっとその決意がお互いにとってよい結論を導くはずです。

冒頭にも述べましたが、今年は本当に大変だと思いますので、もし本稿が少しでもお役に立てましたら幸いです。

LINEで送る
Pocket