人事異動は「小さな転職」 大事な社員に拒否されない内示の伝え方とは

人事異動は「小さな転職」 大事な社員に拒否されない内示の伝え方とは

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1月もあっという間に終盤を迎え、もうすぐ2月。春先の人事異動に向けて、そろそろ最終調整に入っている…なんて人事の方も多いのでは?

人事異動は、会社にとっても社員にとってもプラスになるもの。しかし中には辞令をネガティブに解釈し、異動を拒否して退職の道を選んでしまう人も…。新天地での活躍を期待していた社員に辞められてしまったら、会社としては大きな損失になりますよね。

そこで今回は、優秀な人材に拒否されないための内示の伝え方についてご紹介します。人事にとっては数ある仕事の中の1つでしょうが、辞令を受ける個人にとって、人事異動はまさに人生の一大事。そのことを念頭に置き、双方がHAPPYになれるような伝え方を心がけましょう!

■人事異動を軽く見てはいけない

荷造りする社員

職場が変わる人事異動は、「小さな転職」

人事異動によって通勤先が変わったり、引越しが必要になったりする場合は、異動する本人にとっては「小さな転職」とも言えるほどの変化があるもの。人間関係も一から始めないといけませんし、仕事も覚え直さないといけないかもしれません。

また、お子さんのいる家庭では転園・転校などの問題が発生したり、単身赴任の選択を迫られたりする可能性も。こうした大きな環境の変化を考えると、「君、来月から◯◯へ異動ね」と言われても、なかなか二つ返事で承諾しにくい人もいるでしょう。

「全国転勤あり」の会社でも、異動が原因で辞める社員がいる

入社前に「全国転勤あり」という条件を飲んでいたとしても、いざ転勤と言われると、辞令を拒否する、つまり退職する社員が出てきます。左遷されたと思ってやる気を失ってしまうパターンもあれば、「キャリアパスが描けない」「パートナーや家族のことが心配」などの理由で、今の場所に留まりたいと思うパターンもあるようです。

やはり今まで築いてきた地位や環境を手放して、新しい場所でゼロから生活を始めるのは、簡単なことではありません。「それならいっそのこと会社は退職して、生活環境だけでも今まで通りに…」と思う人もいるかもしれませんね。

■優秀な人材に拒否されない人事異動の伝え方は?

握手

異動先でのミッションを明確にする

もし、異動を伝える社員に「次の部署で何をするんですか」と聞かれたら、きちんと答える準備はできていますか?「詳細は分からないので、現場で聞いて下さい」なんてうっかり答えたら大変です。ただでさえ不安なのに、「何のために異動になったのかが分からない」と、余計に不安を煽ることになってしまいます。

左遷を疑って、自分の価値を見失ったり、仕事へのモチベーションが大きく下がったりして、そのまま辞めてしまうかもしれません。そうならないためにも、異動先でのミッションを明確にする必要があります。

「離れる理由」ではなく、「求められている理由」を伝える

説得している様子
Photo by Texas A&M University-Commerce Marketing Communications Photography

「なぜ今の部署から離れるのか?」
異動を言い渡された人は、大抵そのように考えるでしょう。しかし会社側としては、今の部署を離れる理由よりも「なぜ次の部署が君を求めているのか」を伝えることが大切です。異動先の現状と将来の方針を話し、そこで求められる適性と本人の資質がいかにマッチしているかを伝えると、納得しやすくなります。

ちなみに、その場を和ませようと、転勤先の土地について「ごはんが美味しいよ」「あの観光地がすてきだよね」なんて話すのは、本当に相手のことを考えているとは言えません。「ごまかされている?」とかえって不信感が募る可能性大です。

経営戦略と関連付けて話す

優秀な人材に異動を伝える時ほど、何を話すかが重要になってきます。「今回の異動はステップアップのため」などのフワッとした理由では、残念ながら不十分。説明が抽象的すぎると、かえってキャリア形成に不安を覚えることに…。すぐにではなくとも、時期を見ていずれ辞めてしまう可能性が高まります。

優秀な人材に自社で活躍し続けてもらうには、自社の魅力づけが必要です。そのためには、人事異動を経営戦略と関連付けて語り、会社が必要とする人材を明確にするとよいでしょう。またその際は、人事担当者ではなく経営に携わる役職の高い人に頼むことをオススメします。

“社員想い”の人事制度を設けている企業も

家族想いの会社
Photo by Marcus Balcher

人事異動による人材流出を防ぐために、様々な制度を導入して努力している企業があります。

幼い子どもがいる家庭に配慮した制度

たとえば、朝日生命保険は「子どもが3歳になるまでは転居を伴わない異動にとどめる」と決めています。また、キリンビールでは「子どもが小学3年生になるまでの間、最大5年間は転勤の回避を申請できる」などとしています。

上記のように、幼い子どもを持つ家庭への理解と配慮を示す企業も増えてきました。こうした配慮が制度として確立していると、子育て家庭の安心感も増すでしょうね。

配偶者の転勤に配慮した制度

本人ではなく、配偶者が転勤になるケースでも、生活環境は大きく変わってしまうもの。そこに配慮した制度を設けている企業もあります。

バイエル薬品は、「配偶者が転勤になったら別居せずに通える拠点への異動希望を申請できる制度」をつくりました。また、丸紅や資生堂などでは、配偶者の転勤に同行を希望する社員に対して「配偶者転勤休業制度」などを設け、配偶者の異動が退職につながらないように工夫しています。

地銀64行が、企業間の垣根を越えて連携開始!

銀行
Photo by OiMax

世帯主の転勤が決まると、共働きしていた配偶者が仕事を辞めざるを得なくなるケースも多いですよね。そんな状況を改善するために、企業間の垣根を越えた新たな取り組みも始まっています。

2014年、地方銀行64行は主に子育て世代の女性に配慮し、行員が配偶者の転勤で辞めざるを得なくなった場合、転勤先にある別の地銀で働けるようにする仕組み作りで連携するとの決定を下しました。雇用者側としては、業界や業務に精通した優秀な人材を確保する狙いもあり、双方にとってメリットのある制度になることが予想されます。

まとめ

人事異動は伝える側の言葉や態度によって、ポジティブにもネガティブにも捉えられます。ちょっとした言葉遣いに気を配るだけでも、内示を拒否されるケースはかなり防げるはず。優秀な社員に末永く活躍してもらうためにも、ぜひ今回の内容を次の辞令を伝える際の参考にしてみてくださいね。

(編集:サムライト

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