人を惹きつけてやまない企業のビジョンの秘密に迫る【Apple編】

人を惹きつけて止まない企業のビジョンの秘密に迫る【Apple編】

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人々を魅了する商品やサービスを生み出す企業は、その他大勢の企業と比べて一体何が違うと思いますか?もしかしたら、その秘密は企業が掲げるビジョンにあるのかもしれません。

今回は、iPhoneiPadなどの魅力的な商品を次々と世に送り出して成功したApple社のビジョンに注目してみました。Appleの創業者であり、カリスマ経営者として注目されていた前CEOの故スティーブ・ジョブズは、どのようなビジョンを掲げていたのでしょうか。

Appleのビジョンとは?

MacのPC
Photo by Takashi Hososhima

▼実は、Appleには経営理念がない?

Appleを語る上で、よく知られている有名な言葉の1つが“Think different”です。日本語にすると「発想を変える」という意味になりますが、そもそもこの言葉はMacintosh用の広告キャッチコピーであり、Appleの経営理念ではありません。

では一体、Appleの本当のビジョンとは?

実は、いくら探してもその答えは出てきません。というのも、Appleには「かくあるべし」ということを指し示す明確な理念がないのです。

▼ビジョンを大切にしていたスティーブ・ジョブズ

スティーブ・ジョブズ
Photo by Ben Stanfield

一方で、スティーブ・ジョブズはビジョンを重要視していたことでも知られていました。そのことは、彼の以下の言葉からも伝わってきます。

『必要なのは共通のビジョン、それを提供するのがリーダーシップだ。』
-What they need is common vision and that is what leadership is.(1984年)-

優秀な人材には「何をやるべきか」というビジョンさえ示せば、どうやるかは自分で見つけ出す、というのがスティーブ・ジョブズの持論でした。リーダーシップは管理することではなく、ビジョンを提供することであると考えていたのです。

▼「仕組みを持たないこと」こそ、Appleの仕組み

iPodのリリースによってAppleを再生させた際に、スティーブ・ジョブズはイノベーションの秘密についてこう語りました。

『仕組みは、仕組みを持たないというものだ。』
-The system is that there is no system. (2004年)-

プロセスは人々を効率化へと導きますが、イノベーションのひらめきは、ふとしたことから生まれるものです。ガチガチに仕組みを作って固めてしまうと、優れたアイデアが出てこなくなるとジョブズは考えたのでしょう。敢えて仕組みを持たないことが、Appleの在り方なのです。

なぜ人はAppleを「ビジョナリー」だと思うのか?

ニューヨークのアップルストア
Photo by Dan DeChiaro

▼ジョブズの哲学こそがAppleのビジョン

Appleには確固たる企業理念がないのに、なぜ人々は「Appleはビジョンが明確な企業(ビジョナリー・カンパニー)だ」と感じるのでしょうか?それはおそらく、多くの人がスティーブ・ジョブズの哲学こそAppleのビジョンである、と考えているからです。

決して信念を曲げなかった彼の生き方とその高いカリスマ性が、「やっぱりAppleは他と違ってビジョンがしっかりしている」と人々に思わせるのでしょう。

▼ビジョンを実現し続けることがApple最大の魅力

企業にとってのビジョンとは、これから目指す展望構想です。あくまで叶えたい未来を言葉にしたものであって、それが現実になるかどうかは分かりません。事実、「世界一◯◯な企業」なんていうように、高すぎる理想を掲げて実現できない企業も多くあります。

しかし、Appleは違います。ジョブズは創業時にこんなビジョンを掲げていました。

『テクノロジーを介して何百万人もの人の生活を変える』
-improve the lives of millions of people through technology-

iPadやiPhone、iPodなどの画期的な商品を次々と世に送り出したAppleは、ジョブズが描いたビジョンを実現してきました。その有限実行を続ける姿勢こそが、Appleがその他大勢の企業と大きく違うところであり、人々に愛される理由の1つなのでしょう。

ビジョンを優先させるAppleの人材採用

握手している図
Appleは、人材採用においてもビジョンを大切にしています。

やってもらいたい仕事があり、その仕事をこなせる人を探すのが一般的な採用です。一方、Appleの採用スタイルはその真逆。コンピューターに関する知識や技術よりも、Appleが好きかどうかや人間的魅力があるかどうかを優先して採用します。つまり、Appleのビジョンに共感できるかどうかが一番の鍵なのです。

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まとめ

Appleの成功例を見て言えるのは、大切なのは企業理念を決めること自体ではなく、いかに同じビジョンを会社全体で共有できるかだということです。明確な企業理念がなくても、ビジョンの共有を最優先にすれば、「今、何をすべきか」を考えて社員一人ひとりが自発的な行動を取るようになります。それが新たなアイデアの誕生にもつながっていくのでしょう。

この考え方は、スタートアップや中小企業にとっても大いに参考になるはずです。ぜひ、自社の企業理念やミッションを策定する際にお役立てください。

(編集:サムライト

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