「“憧れ”が消えても本気でいられるか?」エイベックス人事・大橋氏が語る、「志一括採用」で挑む採用の非常識(後編)

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総合エンタテインメント企業として様々な事業を展開する、エイベックス・グループ。音楽のみならず、動画配信や映像ビジネスも展開し、エンタテインメント領域全般で圧倒的な存在感を示しています。

激動の只中にあるエンタテインメント業界で、果敢に新しいビジネスを展開していける人材を採用するために、エイベックスが新たな採用方法として採った方法は、新卒採用を廃止して新たな採用方法をはじめる、というものでした。

前編では、人事部の大橋 甫(はじめ)さんに、エイベックスがなぜ志一括採用を実施するのかという狙いと具体的な流れをお話いただきました。

後編では志一括採用で求めている人材や実施してきた成果について、引き続き大橋さんにお話をお聞きします。

▼前編はこちら
採用基準はエンタメへの志!エイベックスが新卒採用を廃止して「志一括採用」を行う理由を人事・大橋氏に聞く(前編)

▼採用ページはこちら
志一括採用2017

内定者は高校生から不採用経験者まで。共通するのはエイベックスへの強い想い

—志一括採用の応募者はどういう方が多いのですか?

大橋:まちまちですね。大学生の方もいれば、高校生の方もいます。実際に2015年度の新卒には、高校を卒業するタイミングで内定して入社した方もいました。地方から来てくれた方ですが、本当に29歳未満であれば誰でも受けられるんですよ。

一度就職してからやっぱりエイベックスに入りたいということで受けられる方もいますし、過去にエイベックスの新卒採用を受けて、残念ながら不採用になってしまったけど、再挑戦する方もいます。

ここまで門戸を広げているのも、志で判断したいからなんですね。エンタテインメントへの想いはなにも新卒だけが持っているものではなくて、誰もが持っていておかしくはないものです。新卒に縛られる必要はないかなと思っています。一応上限は入社時点で29歳未満と決めていますけど、その中であれば誰でも受けていただきたいですね。

—応募者はどういう志を抱いているのでしょうか?

大橋:エイベックスには、エンタテインメントビジネスというフィールドで「世界に感動を届ける」という理念があります。志一括採用にエントリーする方は、この理念に根差した志をみんな持っています。

ただ、志の部分では共通してはいるのですが、応募者のやりたいことは人によってバラバラです。というのも、エイベックスは総合エンタテインメント企業なので、映像やライヴやファンクラブ、スクール事業、マーチャンダイジングなど、エンタテインメント領域で多岐にわたる事業を展開しているからです。音楽を作りたい、ライヴを作りたいという方もいますし、新人アーティストを発掘したい、アニメを作りたいなど、様々ですね。

—採用される人のタイプは、これまでの新卒採用と異なる点はあるのでしょうか?

大橋:採用される人の経験やスキル的な側面でいえば、大きな差はありません。ただ、エイベックスへの想いは非常に高いと感じています。そこはやはり、選考に時間をかけて密に接する採用方法だからこそといえると思います。

欲しいのは「憧れ」とのギャップを感じても乗り越えられる人材

—どういう人材を求めて志一括採用を始めたのでしょうか?

大橋:エンタテインメントの会社は非常に華やかに見えますし、実際にそうした部分に憧れを抱いてエイベックスに応募する方は多くいるのですが、華やかに見えるのって仕事の数%だけなんですよ。そうした華やかさを支えているのは、表からは見えない仕事、いわば裏方の仕事になります。

そうした仕事に就いたときに、思い描いていたものとのギャップが生まれるかもしれない。そして、そうしたギャップは、最初に華やかな側面が目につきやすい分、他の業界と比べたら大きいと思うんですね。入社したあとに、そうしたギャップを感じたとしても、乗り越えて働けるかどうかは、結局のところ、最初にどれだけ高い志を持っているかだと思っています。

「どんな困難があってもエンタテインメント業界でやっていく」とか「人々に感動を与えたい」、といったことを強く持っていて、ちょっとしたことでは諦めないような強い意思を持った方が最後には残っていく。これは採用を行う中で感じたことです。だから、そうした強い意思や想いを持った方を採用したいと思っています。

—そうした志を見極めるためには、選考期間が長い方がいいのでしょうか?

大橋:そうですね。エイベックスではそう考えて、この採用方法を実施しています。というのも期間が長い分、応募者の志を見極めることができると考えているからです。そして、応募者の方にとっても、期間が長い方が、抱いている志を発揮できるチャンスを多く得ることができると思っています。

採用に応募する方に考えて欲しいのが、人生にとって大事なイベントである就職を、短い期間だけで決めてしまうのはもったいなくないですか、ということです。そして、応募する人にもエイベックスを見極めて欲しい。今の自分にとって本当にベストな会社なのか、ということをです。

志一括採用は、実際に社員に接する機会や、会社の雰囲気を見る機会もあるし、考える時間もあります。選考の期間が長いので応募者の負担は大きいですが、それに見合った多くの機会を提供したいと思っています。そうすることで、お互い納得したうえで、しっかりと握手して入社できると思うんです。

世の中の流れに応じて常に変化していく「志一括採用」

—今後も、志一括採用は続けていくのでしょうか?

大橋:続けていきますが、今の方法でずっとやっていこうとは思っていません。採用方法というのは、世の中が変われば、それに応じて変えていかなければいけないものです。新卒採用は昔から大きく変わることなく続いていますが、いまの時代にそれがベストな方法とは必ずしもいえない。だからエイベックスは志一括採用を始めました。

そして今のやり方にこだわるつもりはありません。「志を見る」という根底の部分を保ちながらも、その方法は柔軟に変えていく必要があります。どういう採用方法がエイベックスにとって最もベストなやり方かどうかは、常に模索していかなければいけないと思っています。

もともと、エイベックスには業界の常識は非常識だと考える、挑戦の文化があります。だから、採用という領域でも非常識に挑戦していきたいですね。

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