「1を10に成長させる」人材を採れ。“脱”スタートアップ企業が取るべき採用戦略を、BASE原田氏に聞く(前編)

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誰もが簡単にネットショップを開設できるサービスおよびショッピングアプリ「BASE」、オンライン決済サービス「PAY.JP」を運営するBASE株式会社

決済・金融という経済活動のコアな領域に関わるサービスを展開する同社は、今、新たなフェーズへと移行しつつあります。そして、それは採用においても同様です。

0から1を作り出す人材から、1から10へと成長させる人材へ。同社が今求める人材を採用するために、どんな改革を行おうとしているのでしょうか。CFOで採用も担当する原田健さんにお話をお聞きしました。

「知り合いを採用」から脱却する

—御社ではどういった採用活動を行っているのでしょうか?

原田:BASEでは創業からしばらくの間は、社員の知り合いからの採用が多かったですね。いわゆるリファラル採用です。気の合う人を集めて会社を作り上げていくというやり方は、とりわけ初期の人を集めるフェーズでは有効でした。

しかし、今後は創業3年でBASEが築いた実績に加えて、これまで以上に成長スピードを加速させていくために、1を10に成長させるフェーズになるので、その部分に強い経験値や実績を持った人が必要になってきます。ある程度の場数を踏んできている方ですね。弊社は勢いのある若いメンバーが中心の会社でデジタルに強い反面、これまでの知り合い経由の方法では、どうしても全体的に若年層に偏ってしまう。そこで今、採用の体制を整備しています。

何か特別なことをするわけではないのですが、これまで人事がいなかったので、専任の人事担当者を新たに採り、その人を中心に採用を行っていきます。一般的な会社であれば行っていることを、スタートアップであるBASEでも行うというフェーズに入ったということです。

今欲しいのは1を10に成長させる人材

—欲しい人材について具体的にお聞きしたいです。1を10に成長させることに秀でた人材とはどういった人なのでしょうか?

原田:既にあるプロダクトをより成長させることが得意な人のことです。プロダクトとは弊社のサービスBASEのことですね。BASEは既にローンチから3年が経ち、20万店舗を超える多くのユーザー様に使っていただいています。しかし今後は、さらに出店者の売上増加につながるよう、商品を購入するお客様も増やしていく必要があります。ですので、求められるスキルは細分化されてきています。

—具体的にはどういうスキルの人が求められるのでしょうか?

原田:BASEのユーザーには、店舗と購入者の2つの軸があります。店舗でいえばいかに効率的に店舗開設数を増やしていくか、そして店舗の売上をいかに増やしていくかというところが求められています。これを達成するために必要なことが、Webマーケティング全般のスキルや広告運用のスキルということになります。

また、エンジニアでいえば、コードも書きつつマネジメント経験のある人を求めています。役割の細分化に伴い、効率化を考えながら現場も見られるスキルを持った方などです。

ただ、これはBASEというサービスで求めている人材です。2015年秋にローンチしたばかりの、PAY.JPという決済サービス事業で求めているのは、0を1にすることに秀でた人材です。

特にPAY.JPはフィンテックといわれる領域になりますので、採用に関してはフィンテックという側面を全面に出すことで、スタートアップ志向の人材にリーチできるようにしています。

とはいえ、会社全体のフェーズとしては若いメンバー中心で走ってきた段階を過ぎて、土台を固めていくフェーズに差しかかっています。そうした若い社員のメンターになってくれるような、ある程度の社会人経験があり、かつ専門的なノウハウと業務に対するその人なりの情熱を持った人材を求めています。

ネットショップ開設サービス「BASE」

ネットショップ開設サービス「BASE」

—会社のフェーズが変わることで、求めるスキルも変わってきているのですね。では、カルチャーへのフィットはどの程度、求められるのでしょうか?

原田:カルチャーフィットも非常に重要だと思っています。というのも、職場というのは人生の中でも比較的長い時間を過ごす場所だったりするので、企業文化に対する違和感が無い方が過ごしやすく、業務に集中できると思うからです。

ただ、弊社は日々変化し続けていて、これから次のフェーズに進めていこうとしている段階です。その過程で会社のあり方も変化していく可能性があります。なので、そうした変化も含めて今ある環境を楽しめる人が、これからのBASEを支えてくれるんじゃないかなと思っています。そういう意味では、今現在のカルチャーに合っているかどうかはそんなに気にしていないですね。

むしろ大事なのは、ミッションやバリューに共感してもらうこと、そして会社を次のフェーズに推進するためのスキルと情熱があること。それと、その人自身のやりたいことがそこにマッチしていることじゃないかなと思います。

ただ、BASEっぽい人というのはもちろんいます。正直、体育会系的でものすごくアグレッシブな雰囲気の人はあまりいません。とはいえ、これからはそういう体育会系的な人が来てもいいと思っているんです。大切なのは、次のBASEを作るスキルと情熱を持っている人だからです。

メルカリと共同でミートアップをスタート

—続いて、採用方法について具体的にお聞きしたいです。

原田:1つは、人材紹介会社を積極的に活用していきます。というのも、1を10に成長させることに秀でた人材は、大企業などで経験を積んでいる人が多く、そうした方が転職活動をするルートは、転職エージェントが多いからです。

ただ、注意しなければいけないのは、変化のスピードが速いスタートアップなので、採用に求められる要件・ポジションは3ヶ月くらいで変わってしまいます。その情報の更新は定期的に行う必要があります。また、ただ募集要項を渡すだけでは、会社の今の状況や方向性が正しく伝わりません。だからこういう職種でこういうスキルのある人が必要なんですということは、エージェントと密にコミュニケーションを取って伝えなければいけません。

伝えているのと伝えていないのとでは、エージェントが求職者に対して弊社を紹介するときの伝え方に大きく差が出ます。

—エージェントには例えば、どういったことを伝えるのでしょうか?

原田:例えば、「過去にBASEはこういうことをやってきて、今、社員や業績はこうで、これからは1年かけてこういう領域に進んでいきたい。ただ、現状のBASEはこうだから、今後はこういう人を採用していきたい。」ということをお伝えします。

なぜこうしたことを伝えるのかというと、エージェントから「面白い会社」と思っていただけなければ、その他大勢のスタートアップ企業の求人に埋もれてしまうからです。

もちろん、最終的には求職者が求人情報を見て応募するかどうかを決めます。しかし、その前の段階で、紹介会社から同じような案件を20社くらい紹介されたとき、エージェントから「この会社おすすめです」と言われた会社があると応募したくなるはずです。エージェントから薦めてもらえるかどうかで、求職者の判断も大きく変わってくるんです。だから、紹介会社とのコミュニケーションは大切だと思っています。

—その他に行っている採用施策はありますか?

原田:これまでも活用してきたのですが、Wantedlyはこれからも使っていきたいと思っています。内容も高い頻度でアップデートしています。

それと、2016年の1月から新たにスタートした施策が「BASE Drink」というミートアップです。これは採用活動に限定するのではなく、交流や学びを目的としたイベントのことで、毎回異なるテーマで開催していこうと考えています。既に何度か開催していて、弊社が資本業務提携をしているメルカリ社と共同で実施したりもしています。

例えば、第1回目はエンジニア対象に実施していて、BASEの技術顧問・アドバイザーである、メルカリのプリンシパルエンジニアの長野氏に登壇いただき、弊社CTO藤川とトークセッションを実施しました。

こうした場を設けることで、ラフな雰囲気で、弊社のサービスや技術に興味を持っていただき、社風や中の人に魅力を感じてもらう、ひとつのきっかけにできればと思い、開催しています。

ですので、ミートアップは採用に直結するイベントではなく、幅広い層に関心を持ってもらうことが目的なんです。

▼後編はこちら
会社の魅力はどう伝える?採用を強くするために学びたいBASEの“発信力”(後編)

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