ギークス小幡千尋さんインタビュー

中途でもポテンシャル重視。「育てる」採用で結果、会社も育つ- geechsの執行役員 小幡氏が語る(前編)

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【小幡千尋氏のプロフィール】
2001年に新卒で総合商社に入社するも、次第に働き方に疑問を感じ始める。自分が感じた就活の良くない部分を自身で解決したいと思うようになり、2003年に大学生のキャリア支援をしていたベンチャー企業に転職。大手・外資系企業における新卒採用支援や、大学生のキャリアカウンセリング・講座を展開した。

6年勤めた後、PRの仕事に興味を持ち、PR・マーケティング会社に転職。採用とPRのノウハウを身につけ、その後、ギークス株式会社(geechs inc.)に入社。2014年4月に同社の執行役員、PR・採用戦略本部長就任。また、2007年4月~現在まで、中央大学商学部特別講師として、キャリア教育分野の授業を担当している。

今回は、これまでに6,000名を超える学生のキャリア支援を行い、採用ノウハウを蓄積されてきた小幡氏に、ポテンシャル採用の重要性について伺いました。

採用も「ペルソナ」の設定が大切

ギークス小幡千尋さん
—2008年にPR職として転職をされた後、2009年にギークスに移られたんですよね。まずはその経緯について教えてください。

小幡:ギークスとの出会いは、ベンチャー企業時代の元同僚が当時の採用責任者で、「優秀な学生を囲い込む施策を考えてほしい」と声をかけてくれたのがキッカケでした。結果としてPRの仕事に携わった期間は短かったんですが、その中でも「採用もPRも結局一緒なのかな」というふうに感じるようになっていたんですよね。PRとの共通点を理解した上で、採用をもう1回本気でやってみるのも面白いかもしれないと思ったんです。

—確かに、採用とPRってすごく似ていますよね。ターゲットのペルソナを設定して、ゴールを決めるところが。

小幡:そうなんです。PRの仕事では、購入してほしい人やブランディングを図りたい人がどんな人物かをかなり細かく設定してから、ゴールを描きます。採用の場合も一緒で、過去にどんな経験をしてきて、どんな志向性を持っているか、といったペルソナを細部まで詰めて、「こういう人を採るためにはどうしたらいいか?」というプランを決めますからね。

—採用でペルソナを設定する際の材料とは、ズバリ何でしょうか?

小幡:「今、活躍しているメンバーの特徴」と、テスト上で出てくる「適性」があるので、その2つを1つにまとめて言語化していくことがペルソナの設定になるのかなと思います。そうやって、欲しい人材のスキルや特性を明確にしていくことが重要かと。ちなみに、ペルソナの設定を行うときは、活躍している人の前職やキャリアよりも、イキイキと働く彼らのマインドや、会社とのマッチングを重視しています。

ポテンシャル重視で、広報に「未経験者」を2名起用

ギークス小幡千尋さん
—広報として、一時、WEB界隈で話題になった「おだんみつ」の後任に、職種未経験者の方を採用されたと伺いました。そこでもやはりキャリアよりもマッチングを重視したということですか?

小幡:はい。「エンジニア=COOL」という価値観を広げるために作った、エンジニアに萌える女性キャラクター「おだんみつ」を使った戦略は、おかげさまでヒットしました。ただその反面、彼女のキャラが見事にハマった結果、ギークスの認知にまでたどり着かないとなりまして(笑)そこで彼女の後任には、選考時からギークスを好きでいてくれた、未経験者を2名採用したんです。彼女たちなら「広報」という枠にとらわれず、様々な形でギークスを売り込んでくれると思いまして。

—経験よりもポテンシャルを重視したということですね。

小幡:エンジニアや経理などの特殊なスキルを要する職種や管理職であれば、当然これまでの経験や技術が重要になります。でも、広報や企画や営業は、ポテンシャルがあれば未経験でもいいと思っていて。それに当社はまだまだ未完成の会社なので、情報発信する内容自体も多くなく、むしろこれから作っていこうという段階。だからこそ、そういうものを作ることから、新しく入る2名の広報に任せたいという思いがあったんですよね。

—広報が新しいものを作るって、面白いですね。普通は既にある情報を発信する役目じゃないですか。

小幡:でも決められたロール(役割)をこなすだけなら、言ってしまえば別に正規社員じゃなくてもできますよね。やっぱりそれじゃ面白くないと思っています。今回採用した2名は、面接の時から「こんなことをやりたいんです」と新しいことを積極的に提案してきてくれたんですよ。経験者の方々が「こんなことができます」と今まで自分がやってきた実績しか語らない中で、彼女たちのそういう姿勢はすごく嬉しくて。それで、広報職としてだけではなく、一緒に会社を作っていく仲間、つまりギークスの「Buddy」として採用しました。

—即戦力としてではなく、「育てる」ことを前提として採用されたということですね。

小幡:即戦力だけを重視して採用すると、その後の彼らの可能性が限定されてしまうと思うところがあります。「これしかやりません」という仕事の幅が狭い人材だと、会社の方向性が変わった際についていけなくなる可能性もありますしね。だから当社では、職種で必要とされるスキルや経験以外に、「ギークスのBuddyになりえるか」という視点で採用を行いますし、ペルソナもその考え方で決定しています。新卒だけでなく、中途でも「育てる」採用に力を入れているんです。

未経験者をエンジニアに育てる「geechs camp」もその良い例ですね。技術力も経験も豊富な中途を採用していくのはなかなか難しい。であれば、イチから育ててしまおう!という発想です。もちろん、ポテンシャルだけで社員を採用していては早いスピードで成長していくのは難しい。即戦力人材とポテンシャル人材のバランスが大事だと考えています。

—今回の広報の採用は、まさに御社の「育てる」採用が功を奏した好事例ですね。中途採用というと企業側はつい即戦力を求めてしまいがちなので、今回のお話は非常に参考になったと思います。本日はどうもありがとうございました!

(つづく)

後編では、小幡さんからバトンタッチされた採用担当の池亀氏と木内氏に、ギークスの採用手法やノウハウについて具体的に伺います。お楽しみに!
ギークス小幡千尋さん

(編集・執筆:サムライト

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