秘訣は「職場体験」にあり!スタートアップにしてエンジニア離職率0%を実現するトランスリミットの採用術(前編)

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創業からこれまでの約2年間でリリースした2タイトル、「Brain Wars」(1500万ダウンロード)と「Brain Dots」(2000万ダウンロード)はどちらも1000万ダウンロードを突破し、累計ダウンロード数が全世界で3500万ダウンロードを超えている、株式会社トランスリミット

同社は「世界に響くサービスをつくる」というビジョンを掲げ、日本発、世界標準のプロダクト作りにチャレンジしています。2014年1月に創業と、非常に若い企業でありながら、ヒットアプリを世界に排出している同社の躍進の秘密は人材採用法にありました。

エンジニアが9割を占めるという同社は、いかにして“欲しい人材”を獲得しているのでしょうか。人事担当の西山由香さんに、お話をお聞きしました。

目指すのは“かっこいいエンジニア集団”。採用基準は「爽やか」であること?

—まず、どういう人材を求めているのか教えてください。

西山:弊社はエンジニアが社員の9割を占めます。エンジニア職を採用している以上、開発力や日々進化する技術に対する感度の高さや成長意欲のある方を求めているという点では他のアプリ・ゲーム開発の会社と変わらないと思いますが、違う点としては、「爽やかな人」を求めているということです。

—「爽やかな人」とはどういう人材なのでしょうか?

「爽やかな人」という言葉だけだと少し違和感があるかもしれませんが、エンジニアの働くイメージとして、仕様書通り期日通りに作ることに縛られ、自分自身が良いと思えるものを作れない、というものをイメージする方もいらっしゃるのではないでしょうか。

弊社の求める理想のエンジニアは、本当に良いと思うものを作る為に主体的に働くことが出来る方です。そうした人は「仕事だからやる」のではなく、本当に好きだからやっているという姿勢を持っている人であることが多いです。好きで仕事をやっている人、主体的に仕事をしている人は、どこか若々しくて、生き生きしていて、表情が明るかったりしますよね。これが私たちが求めている「爽やかな人」の定義になります。

こうした爽やかな人が集まるかっこいいエンジニア集団が、弊社が目指す姿です。

—採用ではどういったポイントを重視しているのでしょうか?

西山:弊社は創業から3年目を迎えていますが、まだ人員は少なく、アルバイトと業務委託の方を含めても25名ほどの少数精鋭体制で、人材の育成・教育よりは実際の開発業務が優先されます。

なので、新卒中途問わず、「主体的な技術力の高さ」を重視しています。

—「主体的な技術力の高さ」ですか?

西山:新卒の場合は技術に関する理解度が高いことに加えて、実際にゲームやアプリの開発経験があるかを重視します。その上で、新卒中途共に重視しているポイントとして主体的に開発に取り組める方かどうか、それを「主体的な技術力の高さ」だと考えています。

今、採用をさせて頂く方は、会社の今後の担う中心メンバーになると思っています。だからこそ、今の段階から採用には妥協できないんです。会社の成長を担う中心メンバーだからこそ、単純な技術力の高さだけではなく、本気で取り組む姿勢や主体性を求めています。

お互いがフィットするために、面接だけで採用を決めない

—「主体的な技術力の高さ」ってどうやって見極めるんですか?

西山:弊社の場合、面接だけで採用が決まることはありません。我々が求めている爽やかさや、主体的な技術力の高さは実際に一緒に働いてみることで分かるものだと思っています。

なので、まず面接でお話させて頂いて、弊社にフィットしそうだと思った方には、新卒・中途に関わらず、職場体験をしてもらうようにしています。新卒の方ならインターンとして来て頂き、中途の方でも可能な限り実際にオフィスに来て頂いて、職場体験をして頂いています。

また、その職場体験自体も主体性に任せるものになっています。手とり足とり教えてしまうと、本人の本質的な部分、仕事への取り組む姿勢が見えなくなってしまうからです。

まずはトライしてもらう。例え出来ないことがあったとしても、周りの人に主体的に助けを求めることができるかどうか、技術力の単純な高さだけでなく、主体性があるものかどうかを見極めていきます。

—中途採用であっても職場体験ができるのは珍しいですね。

西山:確かに、中途採用における職場体験は珍しいかもしれませんね。ただ、我々にとって採用時のマッチングを測る重要な機会だと思っていますし、候補者の方にとっても弊社の職場環境を感じてもらう重要な機会になっているのかなと思います。

その上で、最終的にお互いが理想としているものがフィットした時に入社をして頂くということになります。

—実際に職場を体験できるのは、候補者からしても嬉しいですね。

西山:仕事をする時間は人生の中で大きな割合を占めるものです。その大事な選択を後悔の残るものにして欲しくないと思っています。なので、入社前に職場環境やこれから一緒に働く人を実際に見てもらい、納得した上で候補者の方にも弊社を選んで頂きたいのです。

創業からの約2年間、この採用方法を行ってきましたが、とても満足度の高いものになっていると思います。特にエンジニアの離職率は0%なんです。それはやはり面接だけではなく、職場体験をすることで、お互いが納得した上での採用が出来ているからこそ実現出来ているのだと思います。

ターゲットが見ている媒体をうまく活用する

—現在はどの媒体経由からの採用が多いのでしょうか?

西山:今は9割がWantedly経由です。弊社のようなアプリを制作しているスタートアップに関心のある方々がWantedlyには多くて、弊社の採用ニーズとマッチしていると思っています。

ターゲット層がたくさん見てくれている媒体かどうかは非常に重要です。特に弊社は成長過程ということもあり、莫大な採用予算が掛けられる訳ではありません。そんな中で、Wantedlyは効率的にターゲットとなる層へアプローチ出来るので重宝しています。また、スピーディーに募集が出せる点も採用担当としては助かっています。

—ダイレクトリクルーティングやリファラルリクルーティングはされていますか?

西山:やっています。社員や投資家からの紹介という場合もありますし、SNSで社長自身が直接声を掛けるということもやっています。社長のビジネスに関するつぶやきをリツイートしたりお気に入りしてくれた人に声を掛けたりするケースもあります。仕事や働き方に対するマインドが一致するというのは、スタートアップでは特に重要なポイントなので。

また、特殊なケースではありますが、自社サービスの「Brain Wars」というリアルタイム対戦型脳トレゲームで常にランキング上位にいたユーザーが今、社員になっています。彼の場合、Twitterで出会い、そこから交流が始まり、実際に入社に至りました。

「スタートアップはリスクがある」という不安を取り除くために就業規則を公開

—GitHubで就業規則を公開しているとのことですが、これはどういう理由なのでしょうか?

西山:チャレンジはしたいけど、スタートアップで働くことに不安を感じる、という方もいると思っています。そういった方に、安心してチャレンジできる会社である、ということを知ってもらうために、代表の高場が作りました。

例えば、ある程度経験や年齢を重ねていて即戦力となり得る方の中には、ご家族がいる方やスタートアップという環境に様々な不安を感じている方もいらっしゃいます。そんな方にとって、どんな制度があって、どんな働き方ができるのかということが分からないまま、スタートアップに身を投じることはリスクの高いことだ感じてしまうかもしれません。就業規則を公開することで、それを見てもらって安心・納得して働けるということがわかれば、不安材料を取り除くことができます。

実際に中途で入社した方で、就業規則をご家族に見せて納得して頂き、入社が決まったということもありました。このように入社頂くときの背中を押す判断材料にもなると思っています。

また、高場自身のエンジニアとしてのオープンソース思想もあり、今後のスタートアップのために共有したいという想いもあります。

GitHubに公開されている就業規則

GitHubに公開されている就業規則

▼後編はこちら
「期日を伸ばしてでもサービスの質にこだわる」トランスリミットに学ぶ“エンジニアファースト”企業の作り方(後編)

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