成長の伸びしろは「素直さ」で決まる。ベストアプリiQONを生み出す理想のエンジニア像をVASILY CTOに聞く(前編)

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会員数200万人を突破した日本最大級のファッションコーディネートアプリ「iQON」を運営する、株式会社VASILY

「iQON」は、ファッションアプリとして世界で唯一、AppleとGoogleの両方からベストアプリ賞を受賞。さらに、Appleユーザーレビューでは5点満点中平均点4.5点と高い得点を獲得しており、名実ともにNo.1ファッションアプリとして高い評価を得ています。

同社にはRuby開発者として知られる、まつもとゆきひろさんが技術顧問にいるほど、優れたエンジニアが在籍しています。そんな同社のエンジニア採用の方法論を、エンジニア集団をまとめ上げるCTO(Chief Technology Officer・最高技術責任者)であり、創業メンバーの1人でもある今村雅幸さんに、お話をお聞きしました。

VASILYが応募者に求める7つの要素「HIPSTER」

—御社が採用したい人材はどんな人なのか教えてください。

今村:まず、弊社の求める人材を表す「HIPSTER」というキーワードがあります。
H=Hungry、I=Internet、P=Professional、S=Speed、T=Teamwork、E=Entrepreneurship、R=Recruit

この7つを満たしている人を採用したい。これは新卒・中途共通の指標なので、全社員に持っていて欲しい要素です。

—「HIPSTER」という7つの要素はどのように決まったのでしょうか?

今村:弊社は「人類の進化に貢献する」というミッションを掲げています。会社のメンバーの目的意識を統一していく中で、このミッションを達成できる人ってどんな能力を兼ね備えているのだろう?と考えた結果、「HIPSTER」という価値観が生まれました。

前半の「HIP」は私たち取締役の3人が考えたもので、絶対に外せないものです。1つめの「Hungry」は、そのままハングリー精神。現状に満足せず、常によりよい状態へ進化を求め、そして迷った時はより困難な道を選ぶという精神を弊社の社員には持って欲しい。これは、代表でCEOの金山が大切にしていることです。

2つめの「Internet」は、CTOである私が選びました。エンジニアである私としては、弊社の社員にはインターネットを好きでいて欲しいし、インターネットの可能性を信じていて欲しいです。また、私たちの技術でしかできないような新しいことにチャレンジしたいという思いも込めました。

そして3つめの「Professional」は、自分の担当している分野においては誰よりも詳しくなって、プロフェッショナルとして仕事をするという意味が1つ。もう1つが、自分にはできない違う分野のプロフェッショナルに出会い、その人達に敬意を持って欲しいという意味です。これはCFOの千葉が大切にしているところですね。

この3つは特に重要な必須条件で、面接でもしっかりと見ています。これを持っていない人は、どんなにスキルがあっても入社いただけません。

実は今までこういう指標は設けていなかったのですが、作ってからは社員の意識統一がしやすくなりました。また、採用戦略の面でも「どういう人を採っていくのか」という大きな指標になりますし、それを基準に応募者の方を見ることができるようになりました。今後も大事にしていきたい価値観ですね。

ミッションである”To Contribute to the evolution of mankind(人類の進化に貢献する)”と書かれたVASILYのコーポレートサイト

ミッションである”To Contribute to the evolution of mankind(人類の進化に貢献する)“と書かれたVASILYのコーポレートサイト

エンジニア採用はエンジニアが担う。人事が関与しない採用プロセス

—「HIPSTER」のRですが、なぜ「Recruit」なのでしょうか?

今村:たしかに、求める人物像としてのキーワードとして、「Recruit」を入れているのは珍しいかもしれません。その理由は、私たちは職種に問わず「採用」を仕事にしているからです。

エンジニア採用を例にとって説明しましょう。普通の採用イベントですと、まず人事の方を中心に、実際にエンジニアとして働いている方を1,2名連れてくるのが普通だと思うのですが、弊社の場合はエンジニア達だけで参加します。

弊社では、「自分たちと働く仲間を、自分たちで探す」という考え方をしていますので、エンジニアの採用はエンジニアが決めます。

応募者は直接弊社のエンジニアと話してもらうことで、技術の話や会社のテクノロジーの話まで、エンジニアの口から直接聞くことができます。場合によっては盛り上がって、そのままインターンに来ていただくこともあります。

VASILYの採用ページ。価値観である「HIPSTER」が大きく記されている。

VASILYの採用ページ。「HIPSTER」をトップに置いている。

—エンジニアの場合だと、やはり技術の話がメインになるのでしょうか?

今村:技術の話が多いですね。iOSアプリ、Androidアプリでベストアプリを獲得していますし、技術は弊社の大きな魅力のひとつですので。

ファッション業界だとECサイトなどが多いと思われがちなので、中で働いているエンジニアの技術力が、懐疑的に見られることが多いんですよ。そういう中で、エンジニアや自分たちが持っている技術だったり、他社と何が違うのかを丁寧にお伝えできる機会があれば、私たちエンジニアにとっても熱が入ります。

逆に応募者の方にもメリットもあります。特に新卒ですと、最近ではiOSアプリやAndroidアプリを自作している学生さんが多いです。

そうした学生さん達が、実際の現場でiOSやAndroidアプリを作っているトップデベロッパーに、直接話が聞けるというのはメリットだと思います。エンジニア同士で話が盛り上がって、お互いにとって、有意義な時間になっています。

—では、そうしたイベント等に出向く以外だと、他にどんな採用経由があるのでしょうか?

今村:ダイレクトリクルーティングはよく活用しています。それとWantedlyですね。あとは、各職種ごとに優秀な人をリストアップしてコンタクトを取っています。この業界は、だいたい皆さん転職するスパンが短いんですね。なので、定期的にコンタクトを取って、タイミングが合えば「ご一緒しましょう」という話になります。

成長の伸びしろを見極める方法は「素直」であること

—御社の求める「HIPSTER」はもちろんそうですが、スキルやカルチャーにフィットするかどうかを、面接で具体的にどのように見極めているのでしょうか?

今村:基本的に質問する内容は決まっているのですが、「HIPSTER」についての考えなどを聞いています。エンジニアについてはコーディングテストがあります。

—成果物を見るのが、技術職のスキルを評価するときに大切になりますよね。

今村:今までにやってきた成果物を見せてもらうのが一番ですが、エンジニアだとクライアントワークの成果物の場合も多いので、外に出せないという方もいます。そうした方には課題提出をしてもらいます。結果はエンジニアチーム全員でジャッジします。その際、チームで「この人と働きたい」と思えるかどうかも判断基準に入れています。

—新卒でも同じように評価するのでしょうか?

今村:弊社では、面接だけで採用することはなく、必ずインターンをやってもらいます。そのインターンに来る時点で結構絞っていて、インターンを10日から1ヶ月くらいやってもらったあとに、採用面接を受けることができるという流れになります。このフローで採用活動を行うので、かなり厳選されていると思います。

—そこで求めているスキルレベルはやはり高いのでしょうか?

今村:もちろん、最低限の技術は求めていますが、伸びしろやポテンシャルのある方を重視しています。これはインターンの期間中に見極めます。私たちが大事にしているHIPSTERの考えに共感しているのか、現状のスキルレベルやエンジニアとして伸びしろがあるかどうかを主に見ています。

特に伸びしろは大切ですね。この場合の伸びしろとは、ずばり素直さがあるかどうかだと私は思います。エンジニアの中には「自分は学生の中でできる方だ」と思っている方が多いですが、業界レベルで見るとまだまだなんですね。

そうやって自分のプライドを一度折られたあとに、客観的に実力を真摯に受け止めて、前向きに臨んでくれる方が良いです。自分のできるところとできないところを素直に受け止められる人は、必ず伸びると私たちは考えています。

—なぜ、素直さが成長する上で重要なのでしょうか?

今村:素直な人はわからないことやできないことがあると、他の人に相談できるんですね。そういう素直な姿勢で仕事をする人は、しっかりと成長しています。

それに、エンジニアはスキルが上がってくると「自分は何でもできる」と思いがちなんです。そうすると、だんだん誰も教えてくれなくなりますし、その時点で伸びしろがストップしてしまうので、損をするだけなんですよ。

だから、優秀なエンジニアの方で傲慢な人はいません。何歳になっても、学ぶ精神を備えています。弊社のエンジニアはみんな、そういう人になってもらいたいと思います。

—その姿勢は「Hungry」にもつながってきますね。

今村:新卒だけでなく、私たちマネージャーも現状に満足しない精神を持っています。エンジニアが新しい技術をキャッチアップしようとしなくなったら終わりですから。

そうならないためにも、素直さと「Hungry」の精神は忘れないようにしていきたいですね。

▼後編はこちら
意思あるエンジニアはブログで引きつける!ファッション業界を技術で切り拓くVASILYのエンジニア採用術(後編)

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